私の名前は平手友梨奈


高校生でカフェのバイトをしている。



そこで私は恋に落ちた。


面接に行った際にショートヘアーで顔が小さい女の人を好きになったのだ。



だから私はいつもバイトに行くのが楽しみだ。



渡邉理佐さん。名前が気に入って店長に聞いてみた。残念ながら話をしたことがない。けど、目が合って微笑まれたことはある。



私はそれにびっくりし、すぐに目を逸らしてしまった。



そして今日はバイトだ。



行くのは楽しみだが緊張する。




友梨奈「よろしくお願いします〜」


私は裏口の扉から入り挨拶をした。


店長「平手ちゃん今日もよろしく!」


友梨奈「はい!よろしくお願いします!」


私は店長に挨拶をし、周りを見渡した。



あ、理佐さん...



理佐さんは厨房にいて、コーヒーを注いでいた。



やはりその横顔に見とれてしまう。


よし、今日も頑張ろう。

私は着替え室でバイトの服を着替えた。


大切なお客さんに注文された飲み物を運んでいく。



友梨奈「お待たせ致しました、カプチーノでございます」



私は慎重にお客さんの元に置いた。



友梨奈「ごゆっくりお過ごしください」



私は厨房に戻りおぼんを置いた。



さっきの男のお客さんは少し怖くて目が赤だった。


さてはカラコンだ...






店長「平手ちゃん!ちょっとあちらのお客さん対応行ける?」



店長が目線を向けたのはさっき私がカプチーノの運んだ怖いお客さんだ。



友梨奈「はい!大丈夫です!」


店長「じゃあよろしく!」



私は店長に会釈をしお客さんの元に向かった。



お客さん「なぁ、髪の毛入ってたんだけど」


友梨奈「申し訳ありません、お変えしますね」


お客さん「いや、いい。君の体で変えて」



私はなにも言えなかった。



お客さん「はいこれ、俺の連絡先」


友梨奈「すいません、受け取れません」


正直手が震えてる。


お客さん「は?お客さんに逆らってんの?」



?「大変申し訳ありません、何かお気に召さなかったでしょうか?」



私は隣を見ると大好きな人がいた。


理佐さん...



お客さん「カプチーノに髪の毛入ってたの、だからこいつの体で変えてもらうの」


理佐「大変申し訳ありません、お客様と関係を持つのは禁止なので」


お客さん「は?」


理佐「カプチーノを頼むお客様はすべて心が綺麗な方なんです。お客様も根は綺麗だと思いますよ?」


お客さん「くっそ、俺もう帰る」


お客さんはテーブルにお金を置いて帰っていった


理佐「大丈夫?」


理佐さんに声をかけられたが何も発せれない...


理佐「ちょっとついてきて」



理佐さんはカプチーノとお金を厨房に持っていった。



理佐「店長、私と友梨奈ちゃん休憩入っていいですか?」



友梨奈ちゃんって呼んでくれた...


店長「おう、行ってこい。」



私は理佐さんの後ろをついていった。



裏口の周辺にちょっとした休憩スペースがある。



理佐「ここ座って?」


私は理佐先輩に言われたとおり長ベンチに座った。



そして理佐さんも私の隣に座った。


すこし狭いため、理佐さんの腕が当たる。



ぎゅ


え、


理佐さんは私の手を取り理佐さんの太ももの上に置いた。


理佐「友梨奈ちゃんの手の震えが収まりまるまで手握ってるから、大丈夫だよ」


理佐さんやっぱり優しい...



友梨奈「すいません...私のせいで...」


理佐「友梨奈ちゃんのせいじゃないよ?」


友梨奈「ごめんなさい...」



私は泣きそうになった。


理佐「友梨奈ちゃんの判断は正しいから」


友梨奈「理佐さん...」


私はなんとか涙が出ないように顔に力を入れている。



理佐「友梨奈ちゃん泣いたら私の言うこと聞いてもらうよ?笑」


友梨奈「言うことってなんですか...?」


理佐「それはね~笑、内緒!笑」



笑顔...可愛い...


理佐「ほら、友梨奈ちゃん泣かないで?ね?」



理佐さんが私の頭を撫でたと同時に私の目からは涙が出た。



理佐「泣いちゃった、か。」



友梨奈「やっぱり...私...向いてないです」


理佐「え?」


友梨奈「お客さんを不快にしてしまってる...」


理佐「それはどうかな?笑」


友梨奈「え?」


理佐「だって...あのお客さん言っときながら常連客だもん」


友梨奈「そうなんですか、?」


理佐「うん」


私はなぜかどんどん涙が出てくる。


理佐「ほらほら、泣かない。せっかく可愛いのに泣いたら台無しだよ?」



可愛いって...少しは期待してもいいのかな



理佐さんはそう言って私の涙を親指で拭いた。


友梨奈「汚いですよ?」

 
理佐「所詮みんな同じ涙なんだから笑」


友梨奈「っ、そうですよね...」


理佐「よし、じゃあ私、先戻るから。落ち着いたら戻っておいで?」


友梨奈「はい...ありがとうございます」


理佐「うん、大丈夫だよ」


理佐さんは微笑んでお店の中へと戻っていった。


やっぱり...理佐さんは完璧人間だ。


そして可愛い...




私は理佐さんへの 好き という気持ちが増した気がした。

















私はあの後お店に戻りさくさくと仕事をこなしていった。



そしてあっという間に終わりの時間。


お客さんは帰り、今は店員しかいない。


私はお昼に理佐さんが言った、言うこと聞いてもらうという言葉が頭から離れない。



でもそれは着替え室で聞こう。そう思い片付けに専念した。



〜着替え室~


理佐「お疲れ友梨奈ちゃん」


私が上を脱いでる途中に理佐さんが言った。


友梨奈「あ、お疲れ様です」


意外にも私と理佐さんのロッカーが近い。


友梨奈「あ、あの!今日はありがとうございました。理佐さんのおかげで元気出ました!」


理佐「ほんと?良かった」


友梨奈「ずっと気になってたんですけど...」


理佐「ん?」


友梨奈「今日、理佐さんが泣いたら言うこと聞いてもらうって言ってたじゃないですか、それってなんですか?」


理佐「あーそれ?笑、あれ本気で言った訳じゃないの笑」


友梨奈「え?」


理佐「それ言ったら泣かないかなって...」


友梨奈「そうだったんですね」


理佐「まぁ、せっかくだし、私の家に来てもらおっかな」


友梨奈「えっ!?!?!?」


理佐「あはは笑、そんな嫌?笑」


友梨奈「嫌じゃないんです!ただ、びっくりして笑」


理佐「そっか笑、でー、来る?」


友梨奈「は、はい!!行きたいです!」


なに私でしゃばってるんだ...

変な人って思われちゃう...


理佐「じゃあ、決まり。お母さん大丈夫?」


友梨奈「一人暮らしなので、大丈夫です!」


理佐「そっか、じゃあ行こ!」


友梨奈「はい!」



私と理佐さんは隣に並んで歩いた。




理佐さんの私服はとてもオシャレだ。それに比べて私はとてもシンプルだ。



今は商店街を通っている。


理佐「あ、ご飯ここで食べちゃう?」


友梨奈「あ、はい!大丈夫です!」


理佐「おっけー、何食べたい?」


友梨奈「理佐さんが食べたいもので大丈夫ですよ」


理佐「友梨奈ちゃん優しいね」


友梨奈「いやいや、理佐さんの方が優しいですよ」


理佐「そうかな笑」


友梨奈「はい笑」



しばらく沈黙が流れた。



理佐「私ね元彼に暴力振られてたんだ。」




え、、、、




理佐「毎日家に帰ってきたらとりあえず顔殴られてそのあとお風呂場で冷たい水かけられた...ほんとに辛い日々で自殺しようかなって思った時もあったの。そんな時にあのお店見つけて働いたらこの世界楽しんだなーって思って変わったんだ」



ひどい...



ここで「私が理佐さんを守ります」とか言えたらかっこいいんだろうな。


けど私は言う勇気がない、



友梨奈「今はその元彼とは...?」



理佐「正式に別れてないんだけど逃げ出してきたの。いつ会うか分からない。」



ふと横目で理佐さんを見ると下を見てすごく悲しそうな顔をしていた。
 



友梨奈「っ、そうですか」




私はそんな理佐さんの体を包み込んだ。



理佐「ゆ、友梨奈ちゃん...?」


友梨奈「話してくれてありがとうございます。私がその元彼にがつんと言います!高校生の私じゃ無理かもしれないけど絶対に勝ちます」


理佐「んふふ笑、その元彼、今日のお客さんよりも怖いよ?」


友梨奈「べ、べ、別に関係無いですよ!な、舐めないでください!」


理佐「怖がってるよ?笑」


友梨奈「こ、怖がってません!」


理佐「ははっ笑、かわいっ」


友梨奈「っ/////」



好きな人から可愛いと言われると絶対照れてしまう。私は理佐さんにバレないように顔を伏せた



理佐「あ、ここでいいんじゃない?」


理佐さんは私の体を離し、指を指した



私も理佐さんが指を指した方に目を向けた。



友梨奈「あ、いいですね。行きましょ」



私たちが入ったのはお蕎麦屋さん