平手side


由依先輩と理佐先輩を置いて学校に着くとやはり噂が流れていた。


門に入った瞬間、キャーキャー言い出して嬉しいけど少し腹が立つ。



私は助けたあと、最悪な現場を見たからだ。



由依先輩が理佐先輩を抱きしめていて理佐先輩は由依先輩の肩に顔を埋めていて...



まだその光景が私の頭にくぐる。




由依先輩と理佐先輩は両思いか...



じゃあ、諦めるしかないんだ...




?「あ、あの!」



後ろから誰かに呼ばれて向いた。



そこには見覚えのない顔の人がいた。



平手「は、はい」



?「放課後、屋上に来てください!」


さては2年生か3年生だろう、先輩か...


周りには友達だろうか、柱に隠れている。


平手「分かりました」


?「ありがとうございます!」



上手く笑えたかな...





そして私はあまり授業には集中出来ずに朝あったことしか思い出せなかった。




キーンコーンカーンコーン



やっと放課後...


私は今日呼ばれた人のことを思い出し屋上に向かった。




屋上の扉を開けると、誰もいなかった。



平手「まだか...」




私は久しぶりに来た屋上のベンチに腰をかけた。




?「あ、あの!」


平手「あっ、」



今日私を呼んだ人が屋上の扉を閉めた。


私はベンチから立ち彼女の元に歩んだ。



?「恩がしたくて...」


平手「恩?」


この人に私なんかしたっけ?


?「今日の朝、私の弟助けてくださいましたよね?」


平手「あっ、は、はい」


あの子のお姉ちゃんだったんだ...


?「ありがとうございます!」


勢いよく頭を下げた。


平手「あ、いや、頭...上げてください」


?「すいません...あと言いたいことがあって」

平手「?」

?「好きです!」

平手「え?」

?「あなたのことが好きです!」

平手「えっと...」

?「私...入学式の頃から好きだったんです、ずっと諦めきれなくて...」

平手「すいません、私...好きな人いるので」

?「由依...?」

平手「え?」

?「由依のこと好きでしょ?」

平手「どうして、」

?「見ればわかるよ笑、」

平手「そ、そうなんですね」

?「由依気をつけた方がいいよ、」

平手「なんでですか?」

?「由依といると楽しいけど男寄ってくるから」

平手「その時は私が守ります!」

?「かっこいいね笑、あ、ついでに私の名前織田奈那!覚えてといて!笑」

平手「分かりました笑、じゃあ私はこれで」

?「うん!由依とお幸せに!」

平手「はい!笑」



お幸せって言っても...もう私は由依先輩に付き合えないよ...


理佐先輩に取られちゃう


でもさっき織田先輩私に言ってた


ずっと諦めきれなくてって...


私も織田先輩みたいに諦めちゃダメだよね...



私はそう考えると由依先輩の笑顔が頭に浮かんだ。



平手「由依先輩の笑顔...世界一可愛いもんな...」



そう言って自転車を引いて門を出るとスクールバッグを肩にかけた理佐先輩がいた。


平手「こ、こんにちは」

理佐「一緒に帰れる?」

平手「は、はい」

理佐「ん、行こ」




理佐先輩に何か言われるのが怖い。



私はヒヤヒヤしながら理佐先輩の隣へ歩いた