第23回参議院議員通常選挙・公示を迎えて | Catch my dream ~向き不向きより 前向き~

第23回参議院議員通常選挙・公示を迎えて

2013年7月4日、第23回参議院議員通常選挙が公示になりました。

3年毎の半数改選となりますので、今回も242の定数に対して121が改選の数値になります。


さて、前回2010年の第22回のとき。

投票率は57.92%(2007年の第21回に比べ-0.72%)でした。

2009年8月末の第45回衆議院議員総選挙で民主党が大勝、それにより当時の鳩山由紀夫代表を首相とする鳩山由紀夫内閣が発足しました。

しかし、アメリカ軍普天間飛行場の移転問題、宮崎で発生した口蹄疫への対応遅れ(+宮崎県への責任転嫁)、政治資金収支報告書虚偽記載などさまざまな案件が支持率をガタ落ちさせる結果となり、末期の鳩山内閣の支持率は【支持】20.7%/【不支持】64.4%(2010年4月29日 共同通信社)。

6月2日、鳩山内閣は倒れ、翌々日4日に菅内閣が発足。

この時点で60%台にまで支持率は回復したものの消費税増税に触れた後の発言のブレでいきなり急落。

そんな中での参議院議員選挙でした。

結果的に自民党とみんなの党が大きく議席を伸ばし、「衆議院で与党が法案を再可決できない(衆議院の再議決)=ねじれ国会」となりました。


さて。

2012年12月の第46回衆議院議員総選挙で自民党が絶対安定多数の269を大きく上回る294を獲得して単独過半数を獲得する勢いで大勝。

しかし、参議院で未だ半数がねじれているため、完全に解消というわけではなく、今回の選挙で勝てばねじれも解消となります。


選挙区定数73、比例代表定数48、合計で121。


今回の選挙では「争点が見えないし、どうせ自民の大勝だろう」と言われています。

後者は現在の風潮というのもあるでしょうが、前者はどうでしょうか。

争点はいくらでもあると思います。



「安倍政権の経済政策(アベノミクス)の評価」

 デフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで日本銀行法改正も視野に、大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策で、ロナルド・レーガンの経済政策である「レーガノミクス」にちなんで、アベノミクスと呼ばれるようになったこの政策。

 野田政権末期の8661円(1$=79円台)に比べて3月末には12471円62銭(1$=94円20銭)。さらに今日には14309円97銭(1$=100円28銭)へと回復しています。この数値自体はリーマン・ショック以前の数値でした。

 その一方でガソリンや小麦などの輸入するものに関しては価格が高くなっていて、身近なモノならパンや電力料金が軒並み値上げ。この状態での増税はたまったものではありません。さらに中国のチャイナ・リスクもあるぶん、株価が不安定なところもある。

 ここまでの中での経済政策を良とみるか悪とみるか。株価ではなく下々の我々が期待してよいものか否か。これが第一ポイントと言えるでしょう。


「憲法改正」

 安倍政権では、現行の日本国憲法を改正することも目標にしています。

 本当に変えようとしている憲法9条を前に、96条の憲法改正手続きの発案要件の数値三分の二を二分の一に緩和しようとしているわけです。

 この改憲に関しては自民・維新・みんなが推進派です。

 一方で「96条を改正すればやりたい放題に憲法を変えられてしまう」「ゆくゆくの9条を改正すれば日本はいつでも戦争可能な状態になってしまう」という意見があるのも事実。

 この憲法改正の発案要件を下げることが是か非か、ということになります。


「TPP(環太平洋(戦略的)経済連携協定)」

 もともと一部の国同士での関税撤廃を掲げていたものをアメリカなどが加わって様々な輸出入の関税をなくし行き来しやすくするための協定と言えます(いわゆる「聖域なき関税撤廃」)。

 しかし、これにも問題があり、問題は「日本の聖域」を守れるかということ。日本のコメや農産物は農薬などもほぼ使わず非常に安心でおいしいといわれますし、日本の文化も評価が高く取られています。

 ところが、これを守れるか否か。 これだけでなく、薬・病院・保険などの密着したものにもアメリカの要求が入ってくるのではないか・・・と危惧されているのが現状でもあります。

 アメリカ内では日本の交渉参加にあたって全米商工会議所など43団体が、「いかなる産業分野、商品、サービスも除外しない包括的な協定を達成すること」を要請する嘆願書を大統領に提出しており、アメリカ政府も11月12日、13日のAPECで野田首相に全品目の関税撤廃の原則受け入れを求めていることもあり、これが国内にどう打撃を与えるものかが気になるところです。

 TPP推進派とされるのはみんな・自民・維新・公明・民主。


「原発再稼働」

 2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)と建屋爆発による大事故は日本中に大きな衝撃を与えました。

 その事故から2年が経ち、その後に福井県おおい町の「関西電力大飯原子力発電所3号機・4号機」の稼働がはじまり、今安倍政権は「原子力規制員会の新基準を満たしているのであれば、原発再稼働を容認する」といっており、先日懲りない東電は新潟県柏崎市の柏崎刈羽原子力発電所の一部を再稼働させようとして新潟県の泉田裕彦知事に猛反発を喰らっていました。

これまでの「安全神話」が完全に崩壊し、「一度でも暴走をすれば手に負えなくなる」という風潮から「さっさと廃炉にしろ」という声も出ています。

 一方で、原発を廃炉にする際の費用や核燃料貯蔵庫はどうするのか、原発に変わるエネルギーはどうするのかが言われています。そうなるとメタンハイドレートなどの新しい燃料開発が必要になることも考えられます。



長くなりましたが、考えて見ればこれらが争点になるといえます。

政権公約を見ると「子ども」「お年寄り」「女性」にばかり目がいき、特に「若年層の男」から見るとあまり恩恵がないような気もします。

そういう場合はこれまでやってきていることを調べてみると少しは自分の中に答えが見えるかもしれません。


あとは、「新聞ななめ読み」をお勧めします。

新聞には保守とリベラルがあります。一紙だけだとどうしても論調が偏りがちです。

ですから、できるなら図書館などで一般紙を片っ端から斜め読みするのをお勧めします。

かといってネットだと好きなところしか読まない傾向もありますのでお勧めは出来ません。

良いところにも悪いところにも目を向けなければなりませんからね。


いずれにしましても、従来のままでいるのか、未来を見据えて変えるのか。

我々の一票にかかっています。

一緒に考えましょう。