白鳥とコウモリ/東野圭吾

★★★★★★★☆☆☆

 

 

 

STORY

2017年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。捜査線上に浮かんだ倉木達郎は、1984年に愛知で起きた金融業者殺害事件と繋がりがある人物だった。​そんな中、突然倉木が二つの事件の犯人と自供。事件は解決したと思えたが。​「あなたのお父さんは嘘をついています」。​被害者の娘と加害者の息子は、互いの父の言動に違和感を抱く。​

 

COMMENT

根本的に本作は「家族」が大きなテーマになっていると思います。私の父も、年を取ると自分の家系に興味が湧いてくると言っていたけど、まさに親と同世代の東野圭吾も同じなのかもしれません。本書に限らず最近の東野作品は、家族のルーツを辿るような作品が多い。警察とは別に加害者の息子と被害者の娘若者2人が謎を紐解いていくミステリーには引き込まれたし、読んで損はない小説。東野作品は結構な確率でシリーズ化するので、そうではないという意味で貴重。ただ、新たなる最高傑作と謳われていたけど、「白夜行」や「秘密」ほどの衝撃はなかったかな。