
今村昌平監督の映画が有名です。
雑誌、すばるの書評記事見て読みたくなり。
一番のクライマックスはなんといっても、
母親を捨てて、山を降りかけていた主人公が、
雪が降り始めたのを見て、
掟を破って、棄ててきた母親の所に走って戻ってきて、
「ふんとに雪が降ったなぁ」
と、告げるところ。
そんなことわざわざ言わなくても分かってるのに、
やっぱり気持ちを伝えずにいられない。
ここでは、降雪は母子が望んでいた「安楽な死」のためのこの上ない吉事。
ずっと昔にとうに覚悟を決めて、いま死のうとしている老母に
「よかったね」
と、一言伝えたい。
もうすぐ死んでしまう、好きな人に、たとえ一方的でも気持ちを伝えたい悲しい本能。
その悲しさを描ききってます。
そのほかにも、
激烈な貧しさの中にあっても、
自分たちのコミュニティーと子孫を維持していくために、棄老を受け入れている人たち。
赤ん坊を捨てないために、自ら棄てられる老人や、
棄てられるのを拒む老父を縛り、谷へ落とす息子。
棄老伝説を、昔の野蛮な悪習としてではなくて、
家族やコミュニティーの中での、
複雑な心理を複雑なままにあぶり出す媒体として捕らえて書き上げてあり、
もう、読みどころ満載。
あと、
高齢者介護職従事者必読。
なが.