自虐の詩。 | 名越稔洋オフィシャルブログ「とりあえず乾杯デショ。」by Ameba

自虐の詩。

ヤバい。
最高だわ。これ。
笑えながら、
泣けに泣けた。

阿部寛もすげえ。
中谷美紀も申し分無し。
全てのキャラが輝いてる。
特に中谷美紀の子供時代の役の女の子。
ずば抜けてます。

堤幸彦監督はTRICKなんか観てもそうだけど、人間の動作の合間をカメラに捕えるのが本当に上手い。

そして何より美しい話だ。

決して色や匂いや艶や味が良いわけでも無いし、
モチーフが高級でもない。むしろ大胆なほどにチープでコンパクト。

でも「幸せ」というシンプルでかつ最も難しいテーマを見事に語りつくしている。

幸にも不幸にも価値がある。
かけがえのないものがあれば、
幸か不幸かは関係がない。
なんという言葉だろう。

そしてスタッフクレジットのクラゲの絵で、俺はなぜこんなに泣いてるんだろう。

愛が足りないと嘆く人も、
愛に満ちて幸せな人も、
是非観てほしい。

かつての映画では語られなかったタイプの、かけがえのないものと幸せの意味に気付いたとき、きっとたっぷりと心が満たされる、

最高の一作です。