本書は「防衛大」式の仕事テクニック集という位置付けでしょうか。

 

 著者は防衛大を卒業の後に一般企業に就職しているので「防衛大」≠「自衛隊」では無く、

純粋に「防衛大」で生活した特殊な4年間の生活空間で得たモノを社会(会社)で

活かせるように変換した内容であり、突き詰めると(ドラッカーやトヨタなど)

他の啓発本にも書かれているものと同様の内容が出てきます。

 

 特出すべきは、それらの要点が4年間の防衛大の生活に置き換え実例を持って

記載している点です。

 

 さて、具体的内容は自分をコントロールし時間を有効活用する術について

  ① 「セルフコントロール」について

  ② 「段取り」について

  ③ 「有効的な時間活用(獲得)」について

  ④ 「先読み」について

                                         ・・・書かれています。

 

 特に、「時間(納期)厳守」と「仕事の質に関する考え方」については何度も出てきます。

 

 

 

 もっとも、私にも防衛大卒の自衛隊幹部の知り合いがいますが、実際『ピンキリ』であり、

著者は「目的意識が高い学生だったのだろう」と読んでいて感じました。

 

 よって、防衛大に入学するだけでも卒業するだけでもダメであり、最終的には当人の資質

(ドラッカーの言うところの「真摯さ」)が成長を左右するのでしょう。

 

 他の啓発本でも同様のエッセンスは得ることが出来ますが、本書自体は読み易い

(2~3時間で読み終わる)ので、新社会人等の新たな一歩を歩む人や、

特にこれから防衛大に入学する子にとっては(理不尽な仕打ちにも意味を見出して

耐える為にも)読んでおいて損はない一冊と感じました。