こんな時代でも唯一残るフォーク・シンガー 熊木杏里 | 馬込と白楽

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■LIVE情報
5/23(土) 大久保水族館 14:00START(横田バンド)
6/13(土) 柴崎MISS YOU START未定(馬込と白楽)

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Singer: 熊木杏里
Album : 風と凪
Date : 2010/03/10
[tracklist]

《 Disc 1 》風 48分
01 春の風 (4th 私は私をあとにして より)
02 遠笛 (シングル)
03 時の列車 (5th ひとヒナタ より)
04 窓絵 (1st 殺風景 より)
05 ひみつ (4th 私は私をあとにして より)
06 雨が空から離れたら (5th ひとヒナタ より シングルVar)
07 しんきろう (3rd 風の中の行進 より)
08 新しい私になって (4th 私は私をあとにして より)
09 モウイチド (5th ひとヒナタ より)
10 誕生日 (5th ひとヒナタ より 別Var.)
11 Chappe Song (初音源)

《 Disc 2 》凪 45分
01 ゴールネット (シングル)
02 戦いの矛盾 (3rd 風の中の行進 より)
03 最後の羅針盤 (4th 私は私をあとにして より)
04 君の名前 (6th はなよりほかに より)
05 長い話 (2nd 無から出た錆 より)
06 こと (シングル)
07 朝日の誓い (4th 私は私をあとにして より)
08 私をたどる物語 (シングル 別Var.)
09 一千一秒 (6th はなよりほかに より 別Var.)

■二枚組のCD BESTアルバム
 2002~2009年の彼女の集大成のBESTアルバム。これだけの期間なので名曲の数々がちりばめられています。こんなにも長く活動していたんだなと感心しきりです。

■この時代のフォーク・シンガー
 彼女の歌を聴いたのは3年程前。そのつぶやきのような静かな語り口。フォーク・ギター一本。ぽろぽろと奏でるゆっくりとしたアルペジオ。一つ一つのフレーズはゆっくりとした語り口。メロディーはフォーク全盛期と言われた70年代そのまま。そんな音楽が2010年という時代でもコンスタントに新しい曲を作り、アルバムをリリース。静かに潜在需要はあるのです。

 決して奇をてらった曲はありません。静かにぽつぽつと優しく口ずさむ歌です。高い音メロディーは優しいファルセット。声を張り上げたりすることはありません。難しい事を歌ったりはしません。等身大の彼女の想いを真っ直ぐな言葉とメロディーで歌ってます。彼女の魅力は「素朴」「癒し」「等身大の少女」。

 忙しい現代に生きる我々には彼女の歌から「ノスタルジー」だったり、東京の片隅に生きる「素朴な少女」の姿を感じとり、こんな時代にも素朴で癒しになるような娘がいるんだと思うと「ほっ」とします。それが聴く者の耳を癒すんだと思います。

 大ヒットという音楽ではないですが、恐ろしく古くさいスタイルで現代にあらわれたシーラカンス的な「癒しソング」。しかも古いスタイルでどんどん新曲を作っていくというのが凄いです。死滅したはずのフォーク・ソングが新曲としてこの時代に次々とリリースされて、需要があるのです。奇跡的なJ-POPの音楽スタイルだと思います。

■歌
 ゆっくりメロディー。張り上げないファルセット的な語り口。この歌声が彼女の魅力そのもの。声、歌い方から彼女の等身大の姿が浮かび上がります。癒し声です。

■楽曲
 フォーク・ソングです。楽曲の半分以上はフォーク・ギター一本に近いです。この音楽スタイルはギター一本あればどこでだってLIVEできちゃいます。むしろそれが彼女のスタイルなのかもしれません。

 個人的にはこれからは「LIVEスタイル」の音楽が受けて、残っていくような気がします。どんなスタイルでも良いので生でLIVE演奏がぱっと出来ちゃう音楽スタイルが人気が出て来るような気がします。

■評価
サウンド:★★
歌   :★★★
曲   :★★
買い得感:★★