僧帽弁閉鎖不全症 | なえむら動物クリニック オフィシャルブログ

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☆日常的によく目にする病気をまとめてみました☆



お待たせしましたびっくり!!

今回のテーマは

依頼を受けてました



『僧帽弁閉鎖不全症(MI)』かお2きらきら




この病気は

心臓の病気です青スジ



名前からは漢字が並んでとっても難しそうですよね~苦笑



先ずは

心臓というのが

どんな役割をしているのか勉強しましょうエルモ


■ 心臓の構造


心臓は計4個の部屋に分かれています


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こんな感じ大トトロ3

各部屋を右心房・右心室・左心房・左心室と言います




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ちょっとゴチャゴチャした画像ですが

順をおって見ていってください


上の図は心臓内の血液の流れを示しています


全身から血液が心臓に帰ってきます

先ずは右心房と言われる心臓の部屋に入ります

それが右心房⇒右心室と経由し、肺動脈という血管を通してへ送り出します

その血液の流れが紫色の矢印になります



次に、肺でキレイになった血液が

心臓の左心房という部屋に戻ってきます

左心房⇒左心室と経由し、大動脈というおっきい血管を通してキレイな血液を全身に送り出します

その血液の流れが赤色の矢印になります




こういう風にして

心臓というのは全身から戻ってきた汚い血液を

肺でキレイにして

またそれを全身に送るというポンプの役割をしています

とても重要な臓器です



ただし

そのポンプも

血液が一定の方向に流れるから上手く全身に血液を送れるのであって

心臓の中で血液があっちこっちに流れてしまうと

上手くポンプの役割を果たしてくれなくなります


血液を一定方向に流れるために必要なのが

心臓の中にあるです

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合計で4つあります

これらの弁があるおかげで

血液が逆流せず、上手く心臓がポンプの役割をしてくれるのです




今回のテーマは

その弁の1つ“僧帽弁”に異常が出てしまう病気

『僧帽弁閉鎖不全症』です











では

本題の『僧帽弁閉鎖不全症』を勉強していきましょうびっくり!!






■ 僧帽弁閉鎖不全症とは

先程、説明させていただきました

心臓の中の

その中でも、僧帽弁の形が変わってしまい


一方向に流れるべき血液が逆流してしまう後天性の疾患です










後天性とは、生まれた時は通常ではあったものの、生活を送っている途中に事故や環境など様々な事柄を原因として持つこととなってしまった病気や障害の性質のことです。
(ウィキペディアより)


■原因は?
最も多い原因は、粘液腫様変性という弁の変性が起こり

弁が肥厚したり歪んだり、弁を引っ張っている糸(腱索)が伸長したりします。




その結果、逆流を防ぐために弁が閉じるときの形状が変わります

こんな風に
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そうなると血液が逆流し始めます。これを僧帽弁逆流(MR)といいます。

こんな風に・・・
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この粘液腫様変性というのは、加齢に伴い進行すると言われています。





■ どんな症状なの?



一般的には、急性の症状と慢性の症状があります


○急性の症状は、弁をひっぱている腱索という糸が突然切れると突然心不全をおこし、ひどい呼吸器症状や循環不全を起こします。急性心不全といいます。


※心不全とは・・・心臓が血液を全身へ十分に送れない状態、心臓の血液拍出が不十分であり、全身が必要とするだけの循環量を保てない病態を指します。



○慢性の症状は、徐々に進行していく一般的なMIの時に見られます。はじめはほとんど症状が認められませんが、だんだん気になる症状に変わってきます。最終的には心不全になる子もいます。これを慢性心不全といいます。



その後の病気の進行スピードは一人一人個体差があります。致死的な状況まで進行する子もいれば、それほど進行せず寿命をまっとうする子もいます。

症状、進行スピードとも個体差があり様々です。

この病気を持っているから先が長くないとか、何でこの子だけがとか悲観的にならないでください。
先も述べたように、この病気と向き合いながら寿命をまっとうする子もいます
一緒に頑張っていきましょう!!


以下に一般的な症状をまとめました。


①呼吸器症状

よくあるのは呼吸器に問題が生じ、症状が現れます。

・発咳
咳をするということです。特に気管や気管支に問題がある場合は大きくなった心臓によりそれらが圧迫され顕著な咳が出ることがあります。

・チアノーゼ
こんな風に舌の色が紫色になったりします。
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この場合は、呼吸するのがしんどくなっている状態です。
うっ血性心不全を起こしており、肺水腫という状態になっている可能性があります。


・浅速呼吸(パンティング)、犬坐姿勢など
呼吸が早くなったり、呼吸しやすいように座って上を向くような体勢をとったりします。

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上を向いて不安そうですよね?

ずっと口を開けながら呼吸している子もいます。

こういう子も肺水腫を起こしている可能性があります。


急性症状の場合は、突然このチアノーゼや浅速呼吸といった症状が出ます。




②体格など

・削痩、体重減少など
病態が進行している場合、悪液質といって栄養状態が悪くなり痩せてきます。

一般的には慢性症状として出ます。


・腹部膨満、浮腫など
僧帽弁とは別に三尖弁というのがあり、そこの閉鎖不全を同時に伴っている子がいます。
(三尖弁閉鎖不全症)
それによって右心不全を起こすと、肝臓が大きくなったり腹水が貯まったりすることで
お腹が大きく出っ張ってきます。この所見を腹部膨満といいます。

また右心不全がひどい子は、手足のむくみが出たり、胸水が貯まったり、消化器症状がでたりします。






■ どんな検査があるの?






①身体検査
基本の検査になります。検査機器は使いませんがとても重要な検査です。
問診、視診、触診、聴診などです。

②胸部レントゲン検査
X線撮影装置を用いて実施する検査になります。

僧帽弁閉鎖不全症が疑われる症例においては、ほとんどの場合実施します。
とても有効な検査法です。

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③心臓エコー検査
超音波診断装置を用いて実施する検査になります。

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④心電図検査
心電計を用いて実施する検査になります。


本院にはありませんので詳しい検査は実施できません。







■ 治療方法は?






基本的には内科的治療を行います。

外科的治療を実施する高度医療機関もあります。私はそれに関して詳しくありませんので、

ここでは割愛させていただきます。


①内科的治療

内服薬にて治療していきます。

内服薬で僧帽弁閉鎖不全症を治すことはできません。ですので治療目的としては、進行を遅らせるとお考えください。

どのような子でもこの病気は進行していきます。しかし、お薬を使うことでその進行スピードを遅くするのです。そして出来るだけ長い期間、快適な生活が送れるように治療していくのです。


使用する治療薬

ACE阻害薬、利尿薬、ピモベンダン、β遮断薬など




②入院管理

肺水腫などにより呼吸器症状が重度な場合、病院内にて酸素吸入をすることがあります。

その間、点滴などのお薬を投与しながら呼吸が落ち着くのを待ちます。

この場合は出来るだけ無理な体勢をとったりしないように、入院ケージ内で酸素吸入をしながらジッと静かにさせます。






■ どういうところに気を付ければいい?




先に述べたような症状が少しでもある子は、早めにかかりつけ動物病院で診察してもらってください。
症状はないけど病院で聴診した時に雑音があると言われた経験のある子は、できるだけ詳しい検査を受けるようにしてください。
そして、症状が出る前から治療を開始するかどうかをしっかり獣医さんと話し合ったうえで決めてください

また、好発犬種がいます。キャバリア・キングチャールズ・スパニエルです。またトイ犬種などの小型犬でもよくみられます。
好発犬種の子であれば、定期健診を受けられることをおすすめします。


症状が出ていて、すでに治療を開始している子は、塩分が多く含まれる人間のご飯を与えたりすることや激しい運動(ドックランなど)は控えましょう。





さあ、皆さんどうでしたかはてな

毎度まとまりのない文ですが汗

わかっていただけましたでしょうかはてな



わからないことがあれば、遠慮なくご質問ください土下座

私もまだまだ勉強不足なところが多いです・・・これからも頑張りますのでヨロシクおねがいしますびっくり!!



おしまい



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