ワクチンアレルギーって知ってますか
いわゆる、予防接種によって引き起こされるアレルギーです。
これは、特に混合ワクチン(5、6、8混合ワクチンなど)において認められます。
皆さんご存知のように、
ワクチンはワンちゃん、ニャンちゃんの病気を予防するためにとても必要なものです。
ただ、そのワクチンにも接種後とても怖いアレルギー反応を起こす副作用があります。
今回、ワクチンアレルギーについてお話させていただきます。
これはとても重要です
■混合ワクチンとは
犬では5,6,8種混合ワクチンなど、また猫では3,4,6種混合ワクチンなどがあります。
ウイルスや細菌による病気を予防するために、毎年1回の接種が推奨されています。
人のワクチンと同様、副作用もあり接種後は気をつけなくてはいけないです。
■ワクチンアレルギーとは
免疫状態が正常であれば、ワクチンを接種するとその病気に対する抗体というのが
体の中で作られます。そして、その病気の病原体が入ってきたときにその抗体が攻撃し、
病気を追っ払います。
しかし、免疫システムがワクチンを接種した後に過剰に反応してしまった場合は、
体のあちこちでアレルギー反応が出てしますことがあります。
これをワクチンアレルギーと呼びます。
■ワクチンアレルギーの種類
ワクチンアレルギーには2つの種類があります
先ず1つ目は
即時型のアレルギーです
ワクチンを接種してから30~60分以内に症状が出るアレルギーのことです
◎ 呼吸器・循環器症状(アナフィラキシーショック)
虚脱・チアノーゼ・低血圧・低体温・呼吸困難など
◎ 皮膚症状 (少ない)
顔面腫脹・浮腫・痒み・紅斑・蕁麻疹など
◎ 消化器症状 (少ない)
嘔吐など
虚脱・チアノーゼ・低血圧・低体温・呼吸困難など
◎ 皮膚症状 (少ない)
顔面腫脹・浮腫・痒み・紅斑・蕁麻疹など
◎ 消化器症状 (少ない)
嘔吐など
個人的には10分以内にでる症例が多いと思います。
特に怖いのが、ショック状態に陥る子です。アナフィラキシーショックといいます。
放っておくと死に至ることもある、怖いアレルギー反応です。
2つ目は
非即時型のアレルギーです
ワクチン接種後、およそ1~12時間に症状が出ます
◎ 皮膚症状 (頻発)
顔面腫脹(ムーンフェイス)・浮腫・痒み・紅斑・蕁麻疹など
◎ 消化器症状 (少ない)
下痢など
顔面腫脹(ムーンフェイス)・浮腫・痒み・紅斑・蕁麻疹など
◎ 消化器症状 (少ない)
下痢など
この症状は即時型アレルギーと比べると緊急を要することは少ないです。
よく認められる症状としては顔面の腫脹があります。
顔が真ん丸に腫れます
どんな風になるかというと
モデルは“ポポちゃん”です
いつもはこんなに可愛いお顔の“ポポちゃん”
それが・・・
こんなお顔に
アップにすると
痛そうですよね~
■ワクチンアレルギーの予防・対処法
ここからがとても重要です
ワクチンアレルギーをできるだけ起こさないようにどういうところを心がければよいか、そして起こった時にどう対処するか、この2つの点がとても大切です
先ず、
注射する前に気をつけること
◎ 体調が悪い時は接種しないこと
◎ ワクチンアレルギーを起こしたことのある子、その他のアレルギーを
持っている子は注意すること
⇒ ワクチンの種類を変える(8から5種混合へ)
⇒ 接種前に抗アレルギー薬を投与する
(抗ヒスタミン剤など)
◎ ワクチンアレルギーを起こしたことのある子、その他のアレルギーを
持っている子は注意すること
⇒ ワクチンの種類を変える(8から5種混合へ)
⇒ 接種前に抗アレルギー薬を投与する
(抗ヒスタミン剤など)
アナフィラキシーショックはとても怖いです
⇒注射後10分間は院内でお待ち下さい
注射した後に症状が出た場合の対処法
◎ アナフィラキシーショックが疑われる場合
⇒ 院内におられる場合はすぐスタッフをお呼びください
⇒ 院外におられる場合はすぐ病院にお戻りください
◎ 顔が腫れた場合
本人の様子はどうですか?
① いつもと変わりない
⇒ 様子を見ててください
② 痒がっている、呼吸が荒い
⇒ 病院に来てください
⇒ 院内におられる場合はすぐスタッフをお呼びください
⇒ 院外におられる場合はすぐ病院にお戻りください
◎ 顔が腫れた場合
本人の様子はどうですか?
① いつもと変わりない
⇒ 様子を見ててください
② 痒がっている、呼吸が荒い
⇒ 病院に来てください
みんながみんな、同じような症状が出るとは限りません わからないことがあれば、遠慮なくご連絡ください
■最後に・・・
ワクチンアレルギーは『いつ?・だれが?・いくつで?』
発症するかわかりません
“うちの子は大丈夫!!”
っていうような油断はとても危険です
今日勉強したようなことを、予防接種の度に頭に思い描くようにしておいてください
そうすると
万が一、ワクチンアレルギーが起こったとしても
冷静に適切な対処がとれることと思います
もう一度言います
油断は禁物です
みんながハッピーになるように
楽しくお勉強してみてください (^O^)/
■ワクチンアレルギーに関するデータ
私の手元にあるデータを参照しました(少し古いデータも混じってます)
☆犬種って関係ある?
ある報告では、ワクチンアレルギーを発症した85頭を調査したところ31頭がミニチュア・ダックスフンドだったとしています
ミニチュア・ダックスフンドは少しリスクが高いのかもしれません
☆何回目のワクチン接種でアレルギーがでやすいの?
上記の報告ですが、85頭中64頭は2回目あるいは3回目のワクチン接種で発症したとしています
この報告で興味深いのは、16頭が1回目のワクチン接種で発症しているということです
基本的には2回目の接種以降に発症するのが多いと言われていますが、1回目から発症する可能性もあるということを頭に入れておく必要があります
☆どんな症状が多い?
非即時型アレルギーの皮膚症状が多いみたいです
☆どれくらいワクチンアレルギーって起こるの?
あるイギリスの報告では、100万回ワクチン接種すると2例でアナフィラキシーショックが、3例で過敏反応が起こったとしています
個人的にはもう少し多いと思います
日本での大型の疫学調査が待たれます
おしまい
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