さて、ここにボタンを押すと中に50%の確率で毒ガスの発生する鉄の箱がある。

この中に生きた猫を入れ、蓋を閉じてボタンを押す。

さあ、箱の中の猫はどの様な状態だろうか?

量子力学的には、死んでいる猫と生きている猫が重なり合って存在していると言うとんでもない状態になる。

ただこれは、箱の蓋を開けるまでの話である。

開けた瞬間、現実は収縮し結果だけがこの世界に残るのだ。

しかしこれでは過程も客観も、実在すらどうでもよいのだと言う話になってしまう。

量子力学が示唆する極論は、この世は観測者が観測した時点で遡って作られたと言う事だ。

今感じている空気や見ている物、思いもすべて一瞬前には本当にあったのだろうか?

わたし達が水槽に浮いた脳や哲学的ゾンビでない証明など誰にも出来ないのである。

夏である。

幽霊や妖怪の出る怪談も良いが、たまにはこんな話で涼を取るのも良いだろう。

🌴yashico🌴