参考になるものを見つけたので…

こんなケースを考えてみましょう。

製造部門として、加工部門・組立部門の2部門があるとします。

そして、各部門で機械設備を使うので、補助部門として動力部門があるとします。

製造部門である加工部門と組立部門では、とりわけ大規模な機械設備が加工部門に必要であり、その動力を確保するために、動力部門では比較的大きな自家発電設備を有しているとします。
 ある月は、受注や生産計画の関係上、組立作業が比較的多く、加工作業はあまり行われなかったとします。使った電力量に応じて、電力部門の原価を配賦すると、この月の電力部門のコストの多くは組立部門に配賦されることになります。そこで、経営者は、組立部門のコスト責任から、組立部門長などの業績を判断し、厳しい判断を下すことも考えられます。
 このケースで、組立部門長は納得出来るでしょうか。

ここで問題とすべきことは、動力部門の設備がなぜ大規模な自家発電設備が必要だったかという点です。

加工部門の作業に起因するもので、その結果大きな自家発電設備を準備しています。

大規模な設備は、減価償却費に代表されるように、固定費が大きくなるのが一般的です。

この固定費を、当月の生産状況による電力量に応じて配賦してしまうと、そもそもそれほど自家発電設備を必要としていない組立部門にも多くの固定費が配賦されてしまうことになるわけです。
 複数基準配賦法とは、こうしたコスト責任を明確にする計算方法と考えられています。

具体的には、どれだけの発電設備を必要とする可能性があるかに応じて電力部門の固定費を配賦します。そして、使用した電力量に応じて変動費を配賦するという考え方をとるわけです。
 固定費は、当該会計期間に必ず発生するコストですから、最終的な企業全体の損益計算書の費用に対しては部門別計算が大きな意味を持つわけではないといえるかもしれません。

しかし、そこで働いている従業員のコスト責任をクリアーにすることで、頑張った分が報われるという環境の一翼を担うことになります。

そういう意味では、一定の固定費の計算次第で、最終的な企業業績にも大きな影響を与える可能性も十分にあるのです。

「財務・会計」講義担当 有元 知史

HP経営指導員等WEB研修
コストの責任とは~部門別計算の複数基準配賦について~

より引用



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