2010年9月5日付 朝刊一面 代表選 問う 2
小林喜光 三菱ケミカルHD社長
日本経済は2008年秋のリーマン・ショックから立ち直り、今年前半までは緩やかながら回復してきた。しかし、急激な円高で、今年後半の状況は、「見えにくい」から「相当きつい」に変わっている。
多くの企業が海外への生産拠点はの移転などを検討しており、このままでは国内産業の空洞化が進むことは間違いない。
企業も付加価値の高い製品の研究開発や生産は日本に残すなどして、雇用を守る努力はしている。こうした高い技術力が必要な分野は優秀な人材が必要だ。しかし、人材の価値を高めるのは短期間では難しい。円高があまりに急峻すぎると収益が急激に悪化し、人材育成に投資する余力もなくなり対応できない。日銀を含め、政策として急激な円高の進行をなんとか和らげる作業をやってもらわないと相当な損失が出る。
足元の企業業績は堅調なのに株価の低迷が続いているのは、市場が日本の先行きを悲観的に見ているからだ。少子高齢化だけでなく、日本の迫力や気力のなさが影響しており、国としてファイティングポーズが見えない。円高への対応や日本が進むべき道筋について、政府は明確なメッセージを伝える責務はある。
そのためには短期的な政策と中長期の構造問題を分けて考えるべきだ。
格差を声高に言って、子ども手当や農業の戸別保障などのバラマキ政策を行っているが、世界的に見ると日本の格差は小さい。
グローバル化するということは、一定程度の格差が付くことを覚悟で世界と戦うということだ。日本が沈没しないためにも、対症療法的なやり方ではなく、10年、20年先の中長期を見据え、教育や金融政策を含めて、基本構造を変える勇気を持って欲しい。
短期的には財政出動も仕方がない。結果として景気を下支えすれば中長期のビジョンに対応しやすくなる。ただ、消費税増税を含めた財政再建を進めなければ、日本は財政危機に陥ったギリシャの二の舞になる。そこをやらなければ政治ではない。日本では個人の政治家は天下国家を語れるが、組織や党になるとそういう方向にいけない歯がゆさがある。消費税の問題も国民が批判的な反応を示すと政治がおもねり、財政が悪化した。ここが問題だ。
代表選では様々な問題をしっかり議論し、国民に判断基準を提示すべきだ。国の指導者には強いリーダーシップが必要で、構造的な問題に果敢に取り組んで欲しい。
(聞き手 経済部次長 京屋哲郎)
--------------------------------------------------------------------------
日本の経営者のレベルの低さが如実に分かる発言。「日本がギリシャの二の舞になる」などという妄言は、「誰が誰にどの通貨で借りているか」が全くわかってない、金を動かす経営者としてはあるまじき発言である。このような妄想にとらわれて政策を評価したり、あるいは会社の経営を左右する決断をしているのかと思うと背筋が寒くなる。
それは結局、データを見ずに「単なる印象」や「メディアの報道」を信じているということであるのだから。
前半はまだしもマトモな発言をしているが、後半にいたっては読む価値が全く無い。未だに構造改革などというインフレ対策をこのデフレ経済環境下でやるべきと考えているとは笑止千万。「日本の気力が見えない」のは政策だけでなく、この円高を利用しようという気概に欠けた経営者にも責任があるのではないか? こんな人間が日本を代表する企業の経営者であるなどというのは、民主党が政権を担っているのと同じように国民にとっては悪夢であるとしか言いようがない。
小林喜光 三菱ケミカルHD社長
日本経済は2008年秋のリーマン・ショックから立ち直り、今年前半までは緩やかながら回復してきた。しかし、急激な円高で、今年後半の状況は、「見えにくい」から「相当きつい」に変わっている。
多くの企業が海外への生産拠点はの移転などを検討しており、このままでは国内産業の空洞化が進むことは間違いない。
企業も付加価値の高い製品の研究開発や生産は日本に残すなどして、雇用を守る努力はしている。こうした高い技術力が必要な分野は優秀な人材が必要だ。しかし、人材の価値を高めるのは短期間では難しい。円高があまりに急峻すぎると収益が急激に悪化し、人材育成に投資する余力もなくなり対応できない。日銀を含め、政策として急激な円高の進行をなんとか和らげる作業をやってもらわないと相当な損失が出る。
足元の企業業績は堅調なのに株価の低迷が続いているのは、市場が日本の先行きを悲観的に見ているからだ。少子高齢化だけでなく、日本の迫力や気力のなさが影響しており、国としてファイティングポーズが見えない。円高への対応や日本が進むべき道筋について、政府は明確なメッセージを伝える責務はある。
そのためには短期的な政策と中長期の構造問題を分けて考えるべきだ。
格差を声高に言って、子ども手当や農業の戸別保障などのバラマキ政策を行っているが、世界的に見ると日本の格差は小さい。
グローバル化するということは、一定程度の格差が付くことを覚悟で世界と戦うということだ。日本が沈没しないためにも、対症療法的なやり方ではなく、10年、20年先の中長期を見据え、教育や金融政策を含めて、基本構造を変える勇気を持って欲しい。
短期的には財政出動も仕方がない。結果として景気を下支えすれば中長期のビジョンに対応しやすくなる。ただ、消費税増税を含めた財政再建を進めなければ、日本は財政危機に陥ったギリシャの二の舞になる。そこをやらなければ政治ではない。日本では個人の政治家は天下国家を語れるが、組織や党になるとそういう方向にいけない歯がゆさがある。消費税の問題も国民が批判的な反応を示すと政治がおもねり、財政が悪化した。ここが問題だ。
代表選では様々な問題をしっかり議論し、国民に判断基準を提示すべきだ。国の指導者には強いリーダーシップが必要で、構造的な問題に果敢に取り組んで欲しい。
(聞き手 経済部次長 京屋哲郎)
--------------------------------------------------------------------------
日本の経営者のレベルの低さが如実に分かる発言。「日本がギリシャの二の舞になる」などという妄言は、「誰が誰にどの通貨で借りているか」が全くわかってない、金を動かす経営者としてはあるまじき発言である。このような妄想にとらわれて政策を評価したり、あるいは会社の経営を左右する決断をしているのかと思うと背筋が寒くなる。
それは結局、データを見ずに「単なる印象」や「メディアの報道」を信じているということであるのだから。
前半はまだしもマトモな発言をしているが、後半にいたっては読む価値が全く無い。未だに構造改革などというインフレ対策をこのデフレ経済環境下でやるべきと考えているとは笑止千万。「日本の気力が見えない」のは政策だけでなく、この円高を利用しようという気概に欠けた経営者にも責任があるのではないか? こんな人間が日本を代表する企業の経営者であるなどというのは、民主党が政権を担っているのと同じように国民にとっては悪夢であるとしか言いようがない。