なでしこジャパン 2 - 2 オーストラリア

まず選出されたメンバーをみて、不思議に思わない方がおかしい。

GK
福元 美穂
海堀 あゆみ
山根 恵里奈

DF
上尾野辺 めぐみ
岩清水 梓
有吉 佐織
宇津木 瑠美
高畑 志帆
小原 由梨愛
乗松 瑠華

MF
澤 穂希
宮間 あや
川澄 奈穂美
阪口 夢穂
川村 優理
木龍 七瀬
中島 依美
杉田 亜未
猶本 光

FW
丸山 桂里奈
大儀見 優季
後藤 三知
菅沢 優衣香
高瀬 愛実
吉良 知夏

ヨーロッパ組の招聘に制約があり、自由にメンバーをくめないのはわかる。しかし、チャレンジリーグでろくに活躍していない丸山など、代表に名前を連ねる資格などない。また、W杯優勝メンバーも、大半がそろそろベテランの域にさしかかってきた。本気で世代交代を図らないとまずいと思うのは私だけではないだろう。

その意味では、今後、丸山、大野、安藤は代表に呼ばないことだ。安藤はともかく、丸山と大野の存在はチームに悪影響以外の何者も生み出さない。

また、GKの選出にも疑問が残る。まず、福元は次のW杯までは残っていないだろう。なでしこリーグの試合を見ても、年々、プレーの質が著しく劣化している。また、福元は高さがないという致命的な弱点があり、ドイツ、アメリカなどは、そこをついて得点してきているので、もうこれらのチームには通用しないと考えた方が良かろう。

海堀は何せ足元のプレーが雑すぎる。DFのパスをミスキックして相手に渡し、そのままゴールを決められたという、GKにとって一番情けない失点パターンを何度繰り返したら気が済むのか。この選手も代表レベルではない。

では、山根はどうかというと、これもまた心許ない。上背は187cmと十分すぎるのだが、足元の技術が皆無だし、何より動きが鈍い。170cmそこそこで海堀や山根よりも技術のしっかりした動きの良いGKは他にいないわけではないと思うのだが、そこは「迷将 佐々木」の本領発揮である。

そして、オーストラリア戦の感想だが、澤を最後まで出さなかったのは評価できる。2線級の選手たちを出しても、W杯の切符は取れるだろうから(この緩い条件で出場権を取れないくらいなら出ない方が良い)、新陳代謝を図るべく、澤に頼らない姿勢を打ち出したのは正しい。

しかし、プレーは頂けない。

まずは毎度言っているが高瀬である。この人の技術とスピードのなさは絶望的だ。いくら日本の中でフィジカルが強いと言っても、体格では欧米の選手に勝てるわけがない。日本が欧米に比べて優位なのはアジリティなのだから、高瀬はスタメンで出す意味が全くない。

それから宇津木。周りを全く見ずに出すバックパスはもう病気と言ってよいレベルである。ここからどれだけのピンチが生み出されてきたか、数え切れない。

そして今回のDFラインは最悪だ。いや、これは選手だけが悪いわけではない。このブログで何回も指摘してきたが、万が一、DFの選手がケガでもしたら、代わりはどうするつもりなのかという事だ。

今回は鮫島がリタイアし、熊谷は海外組で招聘が出来ない。しかし、代わりのセンターバックを育成してきていないから、DFラインがめちゃくちゃである。この試合で岩清水とコンビを組んだ川村は、確かにプレーの質は悪かったが、それは選手の責任と言うよりは監督が悪い。同じメンバーをずっと出していれば、いずれはこのような問題にぶち当たることはわかっていたはずである。

その意味で、なでしこジャパンをかいかくするなら佐々木監督を解任することだ。このまま行けば、W杯は決勝トーナメントにもいけず敗退する可能性が高いだろう。

そうなってからでは遅いのである。

まあ、協会の中で危機感を持っている人はいないだろうから、そうなってしまう可能性の方が高いのであるが・・・
 先日、U-17W杯で、リトルなでしこが初優勝を成し遂げた。

フル代表でもW杯優勝を達成しているが、近年の日本女子サッカーの充実ぶりを示す一つの証として喜びたいと思う。

 さて、私は初戦からずっと彼女たちの戦いをテレビ観戦していたのだが、この年代にしては、非常に技術がしっかりした選手たちが招集されたという印象を受けた。高倉監督が「まずは技術」というコンセプトで選抜したらしいが、それを証明するかのような技術レベルの高さだった。この点では、他国の選手に比べて1枚も2枚も上だったといっても良いだろう。

 また、高倉監督のチーム作りも見事だった。単に優勝したというだけではなく、全勝した上に23得点1失点。圧倒的な成績である。また、思春期真っ只中の選手たちをまとめるのも、非常に苦労した後が伺える。スタメンを固定せず、様々な選手を起用して調和を図るなど、女性ならではの心配りだったのではなかろうか。

 そして、ここで育った選手たちを、きちんと上の年代で受け止められるような受け皿づくりを、なでしこリーグ・ジャパンのスタッフは頑張らねばならない。先日のアルガルベは準優勝だったが、世代交代は一向に進んでいない。また、国内に目を向けてみれば、有力選手は海外リーグに行ってしまい、男子同様の空洞が始まっているような有様である。

 せっかく育てた芽が、環境によって十分に育たないのは惜しい。杉田、長谷川、遠藤など、優れた10代選手たちがサッカーだけで生活が遅れるような環境づくりに、協会は力を入れていただきたい。
2013年のなでしこリーグが始まる前、浦和と日テレから多数の引退・移籍選手が出た。

<浦和レッズレディース>

退団:山郷のぞみ(ASエルフェン狭山FC)、荒川恵里子(ASエルフェン狭山FC)、
   小金丸幸恵(アルビレックス新潟レディース)、柳田美幸(引退→浦和レッズ・スタッフ)、
   矢野喬子(引退→神奈川大女子サッカー部コーチ)、土橋優貴(引退)、庭田亜樹子(引退)、
   上野紗稀(ジェフ千葉レディース)

<日テレベレーザ>

退団:岩渕真奈(1899ホッフェンハイム/独)、伊藤香菜子(ASエルフェン狭山FC)、
   永里亜紗乃(1.FFC トゥルビーネ・ポツダム/独)、小林詩織(ノジマステラ神奈川)
   松林美久(未定)

両チームともに多数の中核選手が抜けてしまった。浦和は中盤の核となっていた柳田や荒川、庭田が抜けてしまい、ベレーザは得点源の二人(岩渕・永里)と伊藤がいなくなり、チームとしては飛車角落ちのような状態でシーズンを迎えることになった。

これでINACに対抗しろといっても無理というものだろう。

ただ、最終的な順位を見ると、ベレーザは2位でレッズは6位。しかも、ベレーザはシーズン最後にはINACを破っている。この違いは、シーズン中に期待した若手戦力が充実してきたことが大きいと思う。

ベレーザは、清水梨紗、望月ありさ、長谷川唯がユースチームから昇格したが、驚くべきことに長谷川と清水はすでにスタメンとして定着している。特に長谷川はシーズン後半、ベレーザのチャンスメーカーとして縦横無尽の活躍を見せた。今季、監督を務めたのは長年、メニーナの鬼軍曹と呼ばれた寺谷だから、多少の贔屓もあったのかもしれないが、これだけ活躍されると納得というものだろう。

ベレーザは若返ったというより、幼くなったという形容がぴったりくるほど、若年化がすごい。隅田、椛木、土光、清水、長谷川、望月などは10代、その他のメンバーも20代前半が大半という若さである。それでリーグ2位の結果を出したのだから、チームがまとまってくれば、より好結果が望めるだろう。

片や、浦和は若手がいまいち伸び悩んでいる。安田の結婚などで選手が大量離脱した影響がいまだに残っている印象だ。猶本はけがの影響も残っているのか、プレーに冴えがなく、柴田や藤田もそれほどでもない。成績不振による監督の交代もあったが、来年は躍進を期待したい。
 このところ、なでしこリーグの選手たちも海外リーグへ挑戦する選手が出てきている。岩渕真奈や田中明日菜はドイツリーグでプレーしているし、最近では川澄がアメリカのチームへ移籍するのではといわれている。英会話などは大丈夫なのだろうか???

 日本女子サッカーの最大の弱点はフィジカル面だから、それを強化するとともに、自分よりも対価の大きい欧米選手とどのように戦うか、その身をもって経験してくるのは決して悪いことではない。

 ほかの選手たちも、どんどん挑戦して欲しいと思う。

 それはさておき、昨年のなでしこリーグの結果は以下の通りとなった。

1 I神戸
2 日テレ
3 湯郷ベル
4 伊賀FC
5 ベガルタ
6 浦和
7 ジェフL
8 新潟L
9 吉備国大
10 大阪高槻

まあ、あまり変わり映えがないかもしれないが、内容的にはINACが湯郷、ベレーザに負け、2敗を喫している。浦和は大量の選手離脱の影響をモロに受けた格好だ。また、伊賀は4位に躍進。皇后杯でもINACを苦しめた。今年も台風の目になってくれたら面白い。

各チームの状況は後日書こうと思うが、今年も面白いゲームを期待したい。
 しばらくブログを休んでいたが、東アジア杯の日韓戦、そして総括的な事を書いてみたいと思う。なでしこジャパンは北朝鮮に次いで二位だった。この結果はどう評価したら良いのだろうか?

 まず、この大会の目標は選手選考の段階からおかしかった。

GK
1 福元 美穂 フクモト ミホ (岡山湯郷Belle)
18 海堀 あゆみ カイホリ アユミ (INAC神戸レオネッサ)
12 山根 恵里奈 ヤマネ エリナ (ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

DF
3 岩清水 梓 イワシミズ アズサ (日テレ・ベレーザ)
2 有吉 佐織 アリヨシ サオリ (日テレ・ベレーザ)
14 田中 明日菜 タナカ アスナ (1.FFCフランクフルト(ドイツ))
13 宇津木 瑠美 ウツギ ルミ (モンペリエHSC(フランス))
35 北原 佳奈 キタハラ カナ (アルビレックス新潟レディース)
5 山崎 円美 ヤマザキ マルミ (アルビレックス新潟レディース)
22 長船  加奈 オサフネ カナ (ベガルタ仙台レディース)
4 熊谷 紗希 クマガイ サキ (オリンピック・リヨン(フランス))

MF
7 安藤 梢 アンドウ コズエ (1.FFCフランクフルト(ドイツ))
8 宮間 あや ミヤマ アヤ (岡山湯郷Belle)
9 川澄 奈穂美 カワスミ ナホミ (INAC神戸レオネッサ)
24 上尾野辺 めぐみ カミオノベ メグミ (アルビレックス新潟レディース)
6 阪口 夢穂 サカグチ ミズホ (日テレ・ベレーザ)
20 中島 依美 ナカジマ エミ (INAC神戸レオネッサ)

FW
37 丸山 桂里奈 マルヤマ カリナ (スペランツァFC大阪高槻)
11 大野 忍 オオノ シノブ (ASエルフェン狭山FC)
17 大儀見 優季 オオギミ ユウキ (チェルシーFC(イングランド))
27 菅澤 優衣香 スガサワ ユイカ (ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
15 髙瀬 愛実 タカセ メグミ (INAC神戸レオネッサ)
16 岩渕 真奈 イワブチ マナ (TSG1899ホッフェンハイム(ドイツ))

 赤字・青字共に「代表から外すべき選手」だが、はずす理由は異なる。赤字は「能力不足」であり、青字は「高齢」である。

 次回のW杯は2年後である。福元、安藤、大野などは現状のパフォーマンスを2年後も維持できるとは到底思えない。安藤は、中国戦でゴールを決めたものの、パワー面の劣化が激しく、国際舞台での活躍は無理だろう。

 福元も、ロンドン五輪では素晴らしい活躍だったが、今後の伸びしろを求めるのは酷である。大野も同じだ。

 赤字で記した選手は、元々代表に存在してはいけない選手だ。前々からいっているように、田中明日菜は、もうどうしようもない。ボランチとしても、サイドバックとしても、センターバックとしてもダメ。後述するが、韓国戦では佐々木監督も我慢の限界だったのか、HTで交代となった。

 丸山は何のために連れて行っているのか、本当に意味不明である。代表はおろか、なでしこリーグでもろくな活躍をしていない。一国でも早く代表から追放すべき選手だ。

 また、大会の目標として「3連覇」を掲げていたが、既にW杯を制し、五輪でも銀メダルを取ったなでしこジャパンにとって、大会3連覇など何の価値もない。

 それよりは、ザックジャパンのように普段、代表として出場していない選手に世界大会の雰囲気を体験させた方が意義があったように思う。いまさら、安藤や福元、大野をスタメンで出して、どうしようというのか?

 彼女たちは2年後は、代表から外れている可能性の方が高いのに・・・

 さて、話を韓国戦に移そう。

 この試合で、日本は韓国に敗れ、マスコミ報道では大変な悲観論が巻き起こっているが、はっきり言って、試合前から、内容的なものは求められないのはわかっていたはずだ。何せ「中1日」しかないのだ。これでは、まともなサッカーを求める方が無理というものだろう。ザックジャパンのように、完全ターンオーバー制を引いておらず、大儀見、宮間、川澄、岩清水、熊谷あたりは、出ずっぱりだったのだから・・・

 この中で特にひどかったのは、言わずと知れた田中明日菜である。解説の野田明美もいっていたように、全てにおいて中途半端。ボールは足につかず、パスの精度も悪い。真剣に走らない、味方との呼吸もあっていない・・・。HT後に出てきた阪口と比べると、格の違いがよくわかるものだ。

 丸山と並んで、何でこんな選手を招集し続けるのか、本当に不思議である。
少なくとも、なでしこリーグレベルでも、田中よりも良い選手は多い。ひょっとしたら、ヤングなでしこの選手の方が上手いくらいだ。

 一方で、この試合で岩渕がスタメンで起用されたが、あまり機能しなかった。大儀見とツートップだったが、どうしても味方が大儀見にボールを集めてしまうため、岩渕の所までボールが回らず、活躍が出来なかった。

 これは、中島、長船、上尾野辺、有吉などもそうだが、連携の成熟度がスタメン組と圧倒的に違いすぎるという理由もある。上尾野辺や中島はサイドバックで起用されているが、今大会は確かにミスも多かった。しかし、そのミスは、起用を続けて、スタメン組との呼吸を合わせないと解決出来ない問題であって、急造ポジションでの1試合や2試合で評価するのは、少し酷である。

 それは岩渕にも同じ事が言える。とにかく、まだ若いんだから、しばらくは我慢してチャンスを与え続ける事である。できれば、スタメンで2~3試合くらいは見てみたい。それでダメであれば、代わりの選手の発掘をすれば良い。

 それから、宮間にボランチは無理である。というより、阪口、宇津木を始め、ボランチには、ある程度の人材が揃っているので、無理に宮間をボランチに置く必要がない。宮間のプレースキック精度は、確かに世界トップではあるが、ボランチのポジションからのフィードはそれほど得意ではない。というより、相手ディフェンダーからしたら、読みやすい。

 これは、代表の試合だけではなくて、湯郷の試合でもそうで、いろんな所に頻繁に顔を出す澤と違い、宮間のポジションを下げさせて、パスコースを消してしまえば、宮間は割合簡単に止まってしまうシーンが多い。また、澤ほどの守備力がある選手でもないので、やはり攻撃の主軸として据えるべき選手だろう。

 いずれにせよ、まだW杯までは、少し時間がある。この期間に、ある程度の新陳代謝を促し、チームの若返りを図るべきだ。いつまでも、澤・宮間のチームであっては困るのである。