INACへ来季から鮫島が加入、田中陽子はノジマステラ、GKの武仲はベガルタ、礒金はジェフへ移籍となった。

その他にも、エルフェンから伊藤香菜子、アーセナルでプレーしていた近賀、大野を加入させるなど、2015年に向けた補強を行っている。

が・・・

はっきり言って、この補強に意味はあるのかと思う。チームの成長を図るのであれば、若手を大事に育てなければならないはずなのに、育成面でのINACは本当にどうしようもないチームである。

今年、なでしこリーグで上位を占めた浦和レッズ、日テレベレーザは世代交代がうまくいって、まったくフレッシュなチームに生まれ変わった。

レッズは昨シーズン、降格の危機に見舞われた。主力が大量に抜けたのだから、致し方ないのだが、そういう事態に陥っても持っている戦力を育てることを優先させ、安易な補強に手を出さなかった。

猶本も皇后杯はけがで出場機会がなかったが、メンタル面に難があるものの、チームの中心に成長した。このブログでも再三指摘してきたが、昨年・一昨年の猶本はチームにフィットせず、どうやっても使えない選手だった。

それをここまで育て上げたチームスタッフの力量は賞賛に値するだろう。

それはベレーザも同じである。ベレーザは澤や近賀、大野などがINACへ移籍した後、チームを立て直したが、そこからさらに岩渕、永里、木龍、伊藤香奈子の中心選手が移籍。残った選手たちの平均年齢は21歳という状態だった。

リーグでは要所で取りこぼしがあり優勝には至らなかったが、皇后杯は取ることができた。

こちらも、昨年就任した寺谷の手腕も褒めなければならないだろう。正直、昨シーズン当初は、寺谷の采配にはかなりの疑問符が付いた。しかし、最終的には、チームの確固たる戦術を固め、皇后杯は無失点での優勝。見事という他ない。

それに比べると、INACはいったい何をやってるのか、本当に意味不明である。昨シーズン前半の低迷は仕方がない。しかし、後半は川澄や外人選手を入れても、まるで勝てていない。それで、補強としてベテラン選手を呼び戻す・・・

仮に来期、優勝できたとしても、その次はもうなくなるだろう。

澤は既に30半ばを過ぎている。川澄、近賀、大野なども今後は衰えることはあっても、上がり目はないだろう。特に大野は、年齢のせいか、現段階ですでに運動量が以前と比べてかなり落ちている。川澄だって、今のような無尽蔵のスタミナや日本トップのスピードをいつまでも維持できるわけではない。

そうなると、だれが次世代のINACを支えるのだろうか?

INACの選手に基本的に生え抜きはいない。基本的に大半は、ベレーザからの移籍組で、今年は監督まで元ベレーザ(松田監督)である。もう少し、まじめに育成というものを考えてもらいたいと思うのは、私だけではないだろう。