なでしこジャパン 1 - 0 オーストラリア

なでしこジャパンが初のアジアカップを取った・・・といっても、既に世界の頂点に立っているなでしこにとってみれば、単に「アイテムの取り忘れ」のようなもので、戦績としては、それほど深い意義はない。

ただ、この大会で若手に貴重な出場機会を与えられたという意義は大きかっただろう。

まず、この大会を通じて、一番大きい収穫は川村である。当初はCBとして息の合わないところもあったが、決勝では危ないところを何度も防いだ。まだ、岩清水や熊谷と比べてアラはあるものの、守備の意識の統率が図れるディフェンダーが増えた面は心強い。決勝では、岩清水よりもディフェンス面で目立っていた。

また、川村はサイドバックもできる(というより、もともと左サイドバックである)。左サイドバックの候補としては、上尾野辺もいるので、この辺りのポジション争いも激しくなるだろう。今後の成長次第では、ビジュアル面だけが映える鮫島よりも、はるかに使える存在になるかもしれない。

対して、攻撃面はまだまだ不安要素が多い。まず、澤の後継問題がある。やはり、澤がいるといないとでは、中盤の安定度が段違いだ。決勝の後半、澤は菅沢と交代させられた。将来的なことを考えれば、この交代自体はやむを得ない(澤は不満だろうが・・・)。ただ、やはり、中盤を組み立てる人材は、今の時点ではいないといってよい。

澤のような選手は今後、数十年は出てこないという見方もある。確かのそれはそうだろう。それほどまでに、澤穂希という選手は稀有な存在であることは間違いない。しかし、それでも新しいチームは作らなければならないし、いつまでも澤に頼っているわけにはいかないだろう。澤に代わる他の選手・システムを国際舞台で、どんどん試さなければならない。

だからこそ、丸山のような役に立たない選手を帯同させるべきではなかった。こんな余計な選手を連れていくほど、なでしこに余裕はないはずである。しかし、佐々木が何を期待していたのかは知らないが、毎回、「丸山桂里奈」という余計な選手が代表に名を連ねている。来年のW杯で、大野・安藤・丸山。この3選手は連れて行ってはならない。オーストラリア、中国など、他国が若返りを図る中で、なでしこだけが逆を行っている。

また、この大会で高瀬の処遇ははっきりした。途中出場した菅沢の方がFWとしてはるかに魅力的だとは、前回の記事で指摘したが、この決勝でも、それを証明してくれる形となった。まともに枠に行くシュートを打てない高瀬に対し、菅沢は短い出場時間でも、決定的なシーンを演出できている。

「体を張ったポストプレーで頑張った」と擁護する向きもあるが、高瀬のポストプレーは世界レベルでは通用しない。通用しないと見るや、じりじりとボールを下げ、バックパスするのだから、もはやFWとしての体を成していない。また、スピードも全くない。本来は代表レベルにはるかに遠いはずなのだが、佐々木のえこひいきによって使われ続けている選手である。

しばらく代表の試合はないようだが、澤の言うように、このままではW杯の連覇など夢のまた夢だろう。来年のW杯が始まるまで、有望な若手が出てくることを願ってやまない。