現在、なでしこジャパン監督は、佐々木則夫に絞って交渉しているらしい。こうなると、本人の胸先三寸で全てが決まる状況ではあるが、私としては「辞めて欲しい」と思っている。

 というのは、この人が監督である限り、正当な実力を持った選手が代表になれないからだ。

 ロンドン五輪を見ても分かるとおり、佐々木は非常に不可思議な選手選考をしてきた。まるで役に立たない丸山を代表に入れてみたり、何の実績もない大滝をサポートメンバーとして帯同したり。実力的には、代表レベルにない高瀬や田中明日菜を、ずっと代表に選出してきたりもしている。

 まず、丸山が何の役にも立たなかったことは、ロンドン五輪を見て明白だ。高瀬や田中明日菜も同様。高瀬がここ2年ほどで代表として残した実績は、アルガルベカップのヘディング1発だ。田中明日菜も、挙げた得点以上に、招いたピンチの方が多い。当然、なでしこリーグでの活躍を見れば、吉良や荒川は選出しておくべきだった。

 また、五輪ではたまたまDF陣から離脱者が出なかったという幸運もあった。ただ、鮫島の出来はさんざんだったので、あそこで有吉がいれば、事態は変わったはずだ。少なくとも、先日のなでしこカップ決勝で、川澄を押さえ続けた有吉のパフォーマンスを見れば、五輪でも鮫島以上に活躍出来た可能性はあった。

 佐々木の選手起用での功績は、川澄をスタメン起用したと言うことだけだ。確かに運は良い監督ではあるが、それだけに頼っていては、女子サッカーの発展は望めない。

 ここは、早々に退いてもらいたい。

 一方、星川も先日のカップ戦での敗戦を受け、辞任の意向を表明しているが、こちらは別に続けてもらっても一向にかまわない。

 一部では、男子、若しくは女子代表の監督の座を狙っているという噂もあるが、冗談ではない。仮に、星川が女子代表監督などになったら、日本の女子選手にとって不幸の極みである。

 佐々木が代表に就任するかどうか不明の状況で、自らの辞任を表明したのは、タイミング的にも良すぎる感があるので、おそらく代表監督を狙っているのであろうが、以前にも記事にしたとおり、星川には、監督としての実績はまるでない。

 「優勝できるチーム」でしか優勝していないのだ。はっきり言えば、現在のINACの戦力であれば、その辺の高校の監督が指揮をしたとしても勝てる。

 なでしこカップで、ベレーザに敗れたのは、自らの指揮がヘボだからだ。そんなヘボ監督が代表の指揮を執るなど、ブラックジョークにも程がある。

 現在、なでしこリーグのチーム作りにおいて、実績を残しているのは、先日、カップ戦を優勝したベレーザの野田と、リーグ上位を維持している湯郷の本田前監督くらいだ。

 野田は2010年の選手の大量離脱の後を受け、ベテランと若手の融合をはかり、ベレーザを頂点まで導いた。本田は、湯郷という決してサッカーの環境としては恵まれない地域でスタートしたチームをリーグ上位まで導いた。

 こういうものが監督の実績なのである。

 野田はベレーザの現役監督なので、現実的には就任は無理かも知れないが、本田には、それほど支障がない。ここは、是非、本田監督の登場を期待したい。