バスケ部の、君と。
幼馴染みの、アイツと。
朝、いつものバス停のあなたと。
久々に会う、お前と。
憧れの、彼と。
年齢も職業も異なる主人公たちが出会う「初恋」を14名の作家で紡ぐ「5分で感じる」BL小説アンソロジー。
**このアンソロジーはfujjyossyサイトでのコンテスト受賞6作品と、商業作家さんによる書き下ろし8作品が収録**
コンテスト受賞作品の著者さんの前に☆を付けています
最初「受」って記入していたんですが
攻め受けの「受け」みたいだわーwwと一人ウケてしまったので変えました(笑)
著者:
樋口美沙緒、☆悠里、犬飼のの、遠野春日
釘宮つかさ、安西リカ、☆雨波身和、☆ヒフミトーヤ
砂原糖子、谷崎トルク、☆伽野せり、☆藤美りゅう
☆鳩愛、英田サキ
イラスト:志水貴子
2022年6月
エクレア文庫
毎回1話づつ、朝夕で読みました
ワタクシの大好きな作家先生がたくさん!!
谷崎トルク先生はたぶん初めまして、です
短編の受賞作品ってすごいですよねー
ワタクシも管理監督者研修3か月で毎日レポートを書かされていたときめっちゃ大変でした
毎日の出席レポートももちろんですが毎時間、終了時にポストテストがあって
座っているだけ、の授業は何の身にもならないということ
全てが成績に繋がるんです(評価に繋がる)
それはすべて会社へ還元されるのですよ…
そしてもっと大変なのは
「御社の企業理念とこの管理監督者研修に通じる共通点を140文字レポートせよ」とかいう…
超短いレポートの言葉選びの大変さ
二文字に簡略できる言葉で適切なものはないか探したり
800文字レポートの「多職種連携の共通言語化」について、論文コピペはソフト使っているので認めませんという
いや、800文字で論文コピペはないでしょうよ…とか
A4の2000文字がどれだけ簡単で書き直しが楽なのか
3ヵ月、毎日ストレスで狂っていた時期があったわ
+グループワークもあり、みんなで時間合わせて課題をこなすとか
ストイックな人(他企業の管理職)と一緒のグループになると「提出3日前には出したいからきちんとさっさとやりましょう」ってスケジュールめっちゃタイトになるっていうね
だから短編小説ってきっと難しいんだろうなって思うのです
ワタクシのことはどうでもいいとして…
それでは感想に
樋口美沙緒「あの夏の、きみの名は」
これ、実際ありそうな感覚に飛び込みました
一番大事な二人の出会いが繋がっていくシーンをラストに持ってくるって感動ひとしおって感じです
四谷と赤坂って名前が出てきたとき、そこが共通点かぁなんて単純に思っていたのですが「あの夏」っていうキーワードに「初恋」という言葉が純粋に美しく感じました
部活に熱中するDKのアオハルな世界の中心に心惹かれました
☆悠里「ずっと初恋」
中高一緒だと大学も一緒になりたいなという気持ちが純粋で健気でした
ただ、ワタクシkindleで夜読むとき字をかなり大きくしている(フォント9-10くらい)ため行間が空いているとあれ?終わり?嘘でしょ?とぶつぶつ途切れていて(こちらの事情も大あり)ちょっと読みにくかったことは否めません
この行間が大事なのはわかっているのですが
犬飼のの「レモンスカッシュ・フロート」
誰もが記憶する(てか作り上げる)初恋の味的な♡♡
初恋はいつでしたか?の質問に「保育園です」っていう子、いましたよね
…うちの娘ちゃんも男の子からビニールタイで作った指輪を貰ってきました「しん♡ろうくんからもらった」って(笑)…
年の差もBLならではの醍醐味です!!
脳内妄想が可愛い男の子とイケメン先生の世界に突入しました
遠野春日「ドラマみたいな始まり」
いい意味で裏切られたっていうのかな、そっちかーー(笑)的な♡
憧れのロックミュージシャンとの芸能界✨格差BLって期待していただけに
意外な展開へ進むお話に惹きこまれていっちゃいました
恋におちる瞬間って向こうからも来るんですよね(両片想いに慣れてしまっている自分に反省)
釘宮つかさ「騎士と従者の誓約」
釘宮先生の騎士と従者ものは大好きなのでワクワク一瞬で終わってしまった
つづき読めないですかーーあのー続きをください♡
これプロローグじゃないですか??
乳兄弟として育ってきた二人
自分は母の再婚を機会に農民となり都会を離れ別れ別れになってしまった
彼が騎士になる前に自分へ会いに来てくれるシーン
過去、一緒に住んでいた家に置いて出た腕輪の存在
その腕輪を互いに交えて将来の誓いを確認するところ
泣きました
安西リカ「エンゲージ」
♡
同級生再会もの
「南朋」って呼びかけるところで早くも号泣
え、もう終わり??
ええええ
そんなあぁぁぁあ
どこかで書いてもらえませんかぁぁぁ
☆雨波身和「落雁をくれた君へ」
すごく印象に残る作品
出だしから何度も読み直してしまった
初恋って淡く健気で爽やかさが見えるような
純粋さ漂う…というのは個人比であって、と思い直しましたよ
編集さんと作家さんは同じコイでも「恋」というより「濃い」方なのよね(笑)
登場人物が濃いを越えてすごいレベルだった…💦
☆ヒフミトーヤ「初恋終焉前夜」
攻め受け視点が交互に入っているので何回か進んでは
コレ?今攻め?受け?って読み直してしまった
書き分けられる先生方に改めて尊敬してしまう
超短編がもったいない表現になっているような気がしました
「一緒に東京へいこう、一緒に住もう」なんて言われたら堪りませんよね、初恋は♡
砂原糖子「恋には始まりがある」
安定♡女子社員にも嫉妬三昧~(笑)
無自覚受けって大好物♡そこに気苦労の絶えない攻め様がちらりと!
短編でもふたりの長い付き合い歴をこんなにも凝縮してあって
詰め詰めの幸せ感が味わえました
谷崎トルク「ドロップキックを決めてやる!」
読後表題を観て泣いたわ…そういうお話しだったのね
初恋は淡く儚いもの…でも
印象深く忘れられない
その忘れられない、がね…
お互いそばにいたいと近づこうとして努力していたのに
二度と逢えない人になるなんて…切ない
☆伽野せり「若葉の恋」
学生モノのアオハルといえば通学シーンだったりしますが
バスや電車でいつも逢う人って印象的ですよね
気になる…って
それが一方通行ではない
あちらからの思いがけない告白に♡ときめいたら
DKはノックアウトしますね(笑)
☆藤美りゅう「タイトル、初恋」
初恋→別れ→再会が2歳差の年齢の壁をうまく表現されているなあと感じる作品
もうちょっと読んでみたいなあと思いましたよ
長編というか一冊の本でね
☆鳩愛「伴侶君」
きっと伴侶君て彼のことなんかな?って思いながら読んだので
ぼろ泣き号泣
アンドロイドものは本当に涙腺が弱い…
子供に聞かせる物語と現実が交差されているところ
お見事な表現で何度も読み直した(理解できなくて読み返したのではなく、推し作品として)
こういう切ないお話しがスキ
商業で出されたら作家買いしちゃうかなと思う先生でした
BLCDにもなれるかと思います
私の心にとても深く残りました
エクレア文庫さん、わかっていらっしゃる♡♡♡
英田先生を最後に持ってこられて
ファンは堪らなく感動しています
ああ、とうとうここまで来てしまった感
これを読んだら終わり
じゃないよ
続編期待するよ!!って終わり方じゃないですか??
もっともっといろんな作家さんの
短編初恋BL読みたい💕
って思わせる手法ですよね??
英田サキ「初恋の呪い」
初恋が二つも入っているなんてお買い得、読者的に二度おいしい
短編なの♡♡♡です
『自分の兄に恋している友人を好きになる弟』
自分の兄に恋している友人の初恋編
とその弟編と二つ読めちゃうんです
それが兄の結婚式(ふつうに女性と結婚する)
に参列した友人と弟によって繰り広げられる初恋の物語
さすが英田先生♡
英田作品のハードシリアスが大好きなのですが
こういったきゅんきゅん系もたまに読むと
堪らないものですね
893や警察官、教師や公務員というハード系お仕事ではなく
美容師、というところにも優しい雰囲気が現れていました
帰りの新幹線
ふたりの握りあう手を壁から(前の座席のすき間から←怖いな)
じっと覗いている変態な撫子になった気分で
久しぶりに壁っていいなと感じた物語でした
こんなレビューですみません!!
こちら続編臨むときには編集部にお手紙出せばいいのかしら?
目に留まってくださることを期待して!!
あ、レビューは大変個人的な意見なので気にしないで
ご自身の感覚を大事にされてください!