メールの誤送信がきっかけで、同僚と気づかないまま悩みを打ち明け合う仲になった一顕と整。
大人の性と愛を描く究極の恋愛小説、完全版!!
著：一穂ミチ
イラスト：竹美家らら
2018年
ディアプラアス文庫
萩原一顕,27歳,会社員・営業 × 半井整,27歳,会社員・総務
旧版に加筆が加えられて新装版のタイトルに「完全版」とついてディアプラス文庫から発売されています
今は懐かしきコミコミスタジオin 町田で購入してます
他の文庫と比べて厚く読み応え十分な内容です
5月に一人かわい有美子祭りをしてまして
その間に一穂ミチ先生の『新聞社シリーズ』を読んでしまい…
その流れで
『ふったらどしゃぶり』の世界へ…（笑）
まさに梅雨時に読む本としてはピッタリな内容になってます
そしてちょっといろいろと考えさせられる内容でした
意味深…
かおりの言うことなすことに
いちいち心にとげが刺さってしまうような人生を歩んでいるなあと
自分自身を振り返るのでした（笑）
一顕（かずあき）×かおり
普通の恋人同士なんですが、セックスレス
かずあきはかおりに「セッ.クスしよう」と伝えるのですが
かおりは「明日仕事があるから」「土日はやすみたいから」など
行為を拒否するんです
ですがキスや抱擁はゆるすんですよ
同棲しているんですが
一顕としては同棲するときにベッドはダブルが良かったんだけれど、かおりからシングルベッドを並べたらと言われてシングルベッドにしたんです
ですが
お察しの通り
シングルベッドの二人の間にいろいろと距離が出て来て…
今はナイトテーブルが一台置かれているんです
かおりが一顕とセッ.クスだけしない理由
その理由は一顕と整がセッ.クスして初めてわかる事
…まあ切ないですよね
（かおりの父と母は離婚している、かおりは母の元に引き取られている。父は浮気をして出て行った。その父の浮気の内容が…ネタバレ回避）
もう一方の
和章（カズアキ）×整
整の両親が亡くなったとき、身も心も支えたのは和章でした
そんな和章に整が「好きだよ」と伝えても「僕も好きだよ」としか返事が来ない
和章は整を抱かない、キスもしない
ただ同居しているだけ
一顕と整
きっかけは誤送信によるメール
相手は誰だかわからないのに
ぶっちゃけた話をしたことで
お互いの胸の内が繋がり始める
お互いが相手に認められなかった感情
苦しみ辛く思う気持ちが
一穂先生の雨の描写や美術館での描写で
心にしみて
すみずみまでいき渡るというのか
それがお互い同じ会社の人間だとわかったところから大きく話が膨らんでいきます
もっと引っ張るのかなと思ったら
開始3割のところでお互いの素性がばれる
話真ん中あたりで二人が結ばれる
メールでお互いの胸の内をさらけ出しているから
セッ.クスしたい（愛したい）気持ちと
抱いてほしい（愛されたい）気持ちがぶつかり合ったら
時間も考えないで体をつなぎ合いますよね
ワンナイト…ではもちろん足りなくなるほどに
そこからの話の展開がもう一気に読んでしまえるくらい
夢中になりました
その二人のお泊り外泊
一顕が整と関係を持ったことがかおりにばれます
かおりは男と関係を持った一顕が許せず
決別します
一方の和章と整
こちらは和章が整を抱きます
何となく整おかしいことに気が付いていた
和章は鎌倉に引っ越したいと整に伝える
間接的に一顕と放そうとしている行動もありかと思うのです
整が一顕と関係を持った半日後に
嫉妬や後悔まみれで和章は整を抱いてしまった
今まで自制をきかせて保っていたバランスが見事に崩れていきますよね
もちろんこの場合も
整が彼の元から出ていく形になりました
この先は
一顕も整も別々に暮らしています
整が一顕とセッ.クスしたときの感情の豊かさ
本来自分が望んでいたセックスがされ
体が一顕の刺激によって悦び
温かさややさしさ、愛することへの苦しみなど
多くの感情に刺激を与えられて
全身で一顕を受け入れている整は
本当に幸せの気持ちを吸った体になったんだなあって
今までの飢えを全部満たしてくれるのが一顕でと
涙がホロリ…
『ふったらどしゃぶり』
それぞれの思いが『ふったらどしゃぶり』となる模様を是非味わってください
彼らの世界はまだまだ続きがあるんです…
読みたいと思っていたお話しに続編があるのはご褒美ですか…
あーーディアプラス文庫も（新書館）
電子書籍30-50％、開催してくれないかしら？？
すでに購入済みですが
ふったらどしゃぶり～When it rains, it pours～ 完全版 (全3巻)の2冊目
和章のその後…
ふったらどしゃぶり～When it rains, it pours～ 完全版 (全3巻)の3冊目
二人のその後（一顕と整）
かおりの周辺の出来事が妙にリアルで
結構重かったです
性欲って承認欲求のひとつと思う
それを拒否されるのって恥ずかしいだけじゃないから
一穂先生はどう描かれるんだろうと…
お勧めです📕