2番メトロの終点 Ors Veser tere からトラムで5つ行ったところに、「セント・ラースロー」という高校があります。
 

この高校で、日本語を教えていらっしゃるゴダ・リッラ先生から、「何か日本の文化を紹介してもらえませんか」というお話がありました。
 

打ち合わせの結果、一日書道教室のほかに、浴衣の着付け、折紙などを紹介し、いっしょに楽しく学んでもらおうということに落ち着き、書道を1回、浴衣+折紙を2回(初級クラス、中級クラスに分け、各1回)の計3回、お手伝いに伺うことになりました。
 

そのもようをレポートいたします。


♪ 一日書道教室 レポート♪


 11月10日(火)セントラースロー高校で日本文化に触れてもらう第一弾として「書道体験教室」が開かれました。

 分田さん、安島さん、安藤さん、西垣内さん、ハンガリー人有段者のモニカさん、藤原が行ってまいりました。

 

 女子学生13名の参加で、初めての体験に少々緊張した様子で集まってきました。

 

 これまでの書道体験のようにまず、「起立」、「礼」、「着席」で始まりました。

 

 道具の説明の後、墨の香りを味わいながらの墨すり5分間。
 皆、慣れない手つきながらも一生懸命墨をすりました。 

なでしこ会 活動報告

 太い線から細い線まで一本の筆で書き、筆に慣れた後、漢字の「川」を書きました。
 

 今回も左利きの学生が一人いましたが、右手で筆を持ってもらいました。するとやはり左利きの人も立派な字が書けました。

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 素晴らしい集中力で一画一画の筆使いをお手本を見ながら丁寧に書きました。
 カタカナで名前も練習し、清書ができました。

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 ゴダ・リッラ先生とモニカさんの通訳のお陰でスムーズに進行し後片付けもきちんとすることができ、終わりの挨拶の後、皆真剣に半紙に筆を運び、書き上げたお気に入りの一枚を持って記念撮影で終わりました。
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 お世話になった皆さま、ありがとうございました。(藤原 樹子・記)



☆ 参加者の感想 (書道) ☆

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『ハンガリーでは、日本語を学ぶ学生、日本文化に興味があるハンガリー人が最近増えているとともに書道は日本芸術の一つとして知られてきていますが、書道関係のハンガリー語の本、手本等はなく、書道を勉強する事はなかなか難しいです。これを背景に、ボランティアの方の指導を受けられるのは、特別な機会と考えられています。書道の紹介の手伝いをさせていただくと、毎回私が最初に書道を試みた時を思い出します。生徒さんたちが初めて筆を持って、真っ白い紙に書こうとする瞬間に少しの間ためらうと書き始めて、集中しながら息を止めてやっと出来上がると幸せの表情 --彼らの幸せは自分の幸せになります。これからの活動でも参加させていただければ幸いです。』
(ナジ・モニカ)


 『11月10日、セント・ラースロー高校の書道体験授業に初めて参加しました。
「書道」に興味を示す高校生達がどの位いるのだろうかという思いで出かけましたが、十数名の生徒達が出席していました。姿勢を正して墨をすり、筆を動かす生徒達のまなざしは真剣そのものでした。練習用の新聞紙に横線と縦線を何回も書いて、筆で文字を書くことの感触をつかんでから「三」と「川」の練習に移りました。
最後に半紙にお清書を書いてからその作品を黒板に貼りましたが、生徒達の満足そうな笑顔に、私達ボランティアまでも満ち足りた気持ちとなり、貴重な体験を致しました。』
(安藤 喜美子)


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♪ 浴衣着付け、折紙、盆踊り レポート♪


11月16日(月)に、中級日本語クラス、19日(木)に初級クラスの高校生を対象にして行いました。中級クラスの日には、8名ほどの参加、初級クラスの日は12名ほどの参加がありました。
友だち(やお母様!)を連れてきた生徒もいたようです。


当方は、16日には小村さん、田原さん、西国さん、堤さん、武田さん、橋本さん、分田が参加。
19日には、小村さん、安島さん、新会員の寺井さん、エルテ留学中の三川さん、そして普段は他の高校で日本語を教えていらっしゃる木村先生、分田が参加しました。


両日とも、まずは自己紹介から。生徒さん達がそれぞれ名前と趣味を言っていきます。そのあと、こちらも同じように自己紹介をしました。


次に、浴衣について簡単に紹介したあと実際に着てもらいました。 浴衣は女物4枚、男物1枚しかありませんので、前・後半に分かれて着てもらい、待っているグループは折紙。「ふうせん」や「かえる」を折りました。なかなか器用に折る生徒が多いのには驚きます。

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 浴衣を着終わった時点で、「学校の中を一回りしたい?」とききますと、「はい!」とたいへん前向きな反応! そこで、浴衣組は教室を出ました。写真を撮る姿も見られました。

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 そのあと、ところをかえて次の組。16日は2組入れ替えでスムーズに行きましたので、折った「かえる」を使って、飛ばし競争をする時間もありましたが、19日は男の子が3人いて、3組目ができてしまったこともあり、かえる競争まで至らなかったのは残念です。他愛のないゲームですが、自作のかえるで遊ぶ高校生、結構盛り上がります。純真な姿がかわいらしく思えました。

なでしこ会 活動報告

 

 そして、せっかく浴衣を着たのだからと、盆踊りにも挑戦。
「炭坑節」を、何の動作をしているのか説明しながらいっしょにやってみます。苦もなくすぐにのみこんで(最後まで混乱したままの人もいましたが!)楽しく輪になって踊りました。

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先生、生徒さんはじめ皆さまお疲れ様でした。   (分田 恵子・記)



☆ 参加者の感想 (浴衣他) ☆ 

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 『今回参加させていただいたクラスは中級クラス。その中には夏の「日本語キャンプ」に参加していた生徒さんたちや、息子さんのお迎えに来て飛び入り参加した元気なお母さんがいたり、終始なごやかな時間でした。
 浴衣を着た生徒さんの嬉しそうな顔を見ると、もっと上手に着せてあげたらよかったと反省もしたり。
 このように生徒さん達と接している中で生徒さん達から教えられることがたくさんあるといつも感じます。
  これからも、日本のいい所を上手に伝えられるように頑張って参加させて頂こうと思います。』 (田原)


『今回初めてなでしこ会からお手伝いをさせていただきました。ボランティアなど経験のない私はドキドキしていましたが、そんな不安は見事に子供達がはねのけてくれました。
私達と一緒に折り紙を折っている眼差しは真剣そのもので、出来上がった折り紙であれほど楽しそうにしている姿を見ると、純粋な子供達の姿に心が洗われるようでした。ボランティアを通して改めて自分が住んでいる日本の良さを再認識する事が出来ました。
小さなご縁からはじまる数々の出会いを楽しみながら、いろんな方に日本の事を知っていただけたらと思います。
出会いの機会をあたえてくださり、ありがとうございました。』 (西国)

『16日のボランティアに参加させて頂きました。
大学や高校のボランティアに参加させて頂いて思う事は、日本語や日本の文化に興味を持ってくれている生徒達が本当に沢山いるなという事です。それは日本人として、ボランティアを通じて、そういう生徒達と接する事が出来、大変嬉しく素敵な経験をさせてもらっていると思っています。
今回、折り紙や浴衣や盆踊りを本当に楽しそうにしてくれているのを見て、大変嬉しく感じました。
また自分自身も、折り紙や盆踊りなど忘れかけていた事も思い出す事が出来、日本の文化について改めて考える事が出来ましたし、とても楽しめました。
これからもボランティアを通して、こういった生徒達のお手伝いをしながら、自分自身も成長出来たらと思っています。』 (橋本美代子)


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『初級クラスということもあって、あまり日本語での会話はできませんでしたが、学生たちが 真剣に折り紙を折ってたり、浴衣を着せてもらって すごく嬉しそうだったのを見て、こちらもうれしくなりました。
 事前に 高校側に折り紙の準備を依頼する、という手配は とてもよいと思います。
今後につなげていくためには、ボランティアを受ける側の姿勢の教育も大切だという事を改めて感じました。
 一つだけ残念だったのは、 3度目の着付けができてしまい、時間が足りなくなったことです。

次回は グループ分けの仕方にも気をつけたいです。』 (三川 桃)


『今回,書道と着付けに参加しました。
高校生の皆さんが、一生懸命に自己紹介をする姿に感激しました。
書道では、短時間で書き慣れない文字を集中して書いていました。
浴衣には、大変興味を示したようで,着たときとても嬉しそうでした。
最後に楽しく盆踊りもでき、私にとってもまた楽しいブダペストでの思い出の一つとなりました。
ありがとうございました。』 (安島 裕子)


『セント ラースロー高校のボランティアに参加させていただき、浴衣の着付け担当でしたが、分田さんの説明で、初めて浴衣の歴史を知りました。
 ボランティアに参加させていただく前に、知っておかなければ・・・と反省。
 浴衣を着た学生さん達がさまざまなポーズで写真を撮ったり、散歩から帰ってきた感想を聞くと、みんな、「とても良かった♪」と、笑顔で答えてくれました。
 折り紙、炭坑節も真剣に、楽しくしている様子を見ると、これからも、日本語を学んでいる生徒さん達のお手伝いをさせていただこうと思いました。』 (小村 陽子)


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手紙 セント・ラースロー高校からのお便り


なでしこ会員の皆様
 

 セント・ラースロー高校のゴダ・リッラです。11月の3回のお手伝いを本当にありがとうございました。
1回目の書道と2回の折り紙・浴衣の授業は学生たちと私にもとても大切な経験でした日本文化についてすごく楽しい知識を教えてくださってありがとうございました。よろしくお願いいたします。
生徒さんたちは書道の授業で半紙を初めてみて、文字を書くことになって感謝しています。
折り紙の授業で作った「かえる」と「ふうせん」、特に「ピンクかえる」について今でもたくさんおしゃべりをしています。
浴衣を着るときの写真も学校の友達に見せることができるようになって本当に感謝します。
 その主な経験をありがとうございました。

   

セント・ラースロー高校の日本語のグループの生徒たち、先生、ゴダ・リッラ

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(さいごに)

この高校では、2年前に関弘子さんという方が、1年間ボランティアで日本語を教えていらっしゃいましたが、日本に帰られました。そのあと高校に先生として迎えられたのがゴダ・リッラ先生です。また、この高校には、司書のヴィクトリアさんという親日家がいらして、いろいろとバック・アップしてくださっています。


関さんは着付けのプロでもあり、「なでしこ会」の活動にもご参加くださいました。「なでしこ会」の名付け親でもあります。そして、帰国に際し、ご自分の浴衣を会に寄付してくださいました。今回使ったもののほとんどがその浴衣です。
関さんの志が引き継がれ、日本語の授業が続いているのはうれしいことです。


最後になりましたが、書道セットの準備(借り出し、運搬、返却)を校長先生が自らしてくださったと聞き、素晴らしいなあと感じました。
今回は折紙も高校で事前に用意していただきました。
打ち合わせ、事前準備や、飲み物などのお心遣いをいただいたヴィクトリアさん、そしてもちろんゴダ・リッラ先生、このような機会をいただき、ありがとうございました。