皆さまこんにちは。
古代インド占星術家のEmmyです。
今日は【ラーフとケートゥと蝕の話】をして参ります。
蝕はインド占星術では「基本のキ」にあたる重要な知識ですからご存知の方も多いと思いますが今一度復習をかねてお話し出来たらと思います。
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先日、多摩六都科学館のプラネタリウムに行ってきました。
こちらのプラネタリウムで使われている、投映機「CHIRONⅡ(ケイロンⅡ)」は1億4000万個を超える星々を映し出し、最も多くの星を投映するプラネタリウムとして世界一に認定されているのだとか。
上映中は沢山の星に魅了されて、泣きたくなるような不思議な気持ちになりました。
写真も撮って来ちゃいました。ちょっとエイリアンみたいですよね…笑
その時上映していたのは「食(蝕)にまつわる話」という演目で、月食や日食について語られていました。
2022年11月8日に天王星をからめた月食が起きるそうで、その奇跡的な配置を解説して頂き、とても美しく幻想的でした。
「蝕」といえば、古代インド占星術的には「ラーフ」と「ケートゥ」ですね。
なんとこちらの上映ではラーフの神話を解説して下さっていましたよ。
有名な【アムリタの神話】ですね。
むかしむかしあるところに「ラーフ」と呼ばれる魔族がいました。
ラーフは頭がきれ、大変ずる賢い魔物です。
ある日、神々が参加する宴で不死の霊薬「アムリタ」が振舞われる事を知ったラーフは、神に化けて自分もアムリタを飲もうとします。
それに気が付いた「月」と「太陽」はインドの最高神である「ヴィシュヌ神」に告げ口をします。
ヴィシュヌ神は円盤(チャクラム)を投げてラーフの首を切断しますが、僅かに遅く…。
アムリタを喉迄飲み込んでしまった首だけは不老不死に、切り落とされた身体は半分死んだようになってしまいました。
その後ラーフの首は天に昇り、告口したことを怨んで、太陽と月を飲み込んでは日食や月食を起こす悪星になったと言います。
そうです。この時首だけになった魔物を「ラーフ」と呼び、半分死んだようになってしまった身体を「ケートゥ」というのですね。
ラーフは、あと少しでアムリタを飲み込めたのに、喉でつっかえて飲み込めなかった、そんな【満たされない気持ち】を抱き、ケートゥは既に身体は死んでしまっているはずなのに、ラーフが生きているせいで死ぬことが出来ない、本当は【早く死んで神々のものへ還りたい】と感じているのです。
それ故、古代インド占星術でラーフはどこまでも満たされる事を知らない欲を表し、ケートゥは手放しや解脱を表す惑星になったのですね。
「太陽と月を怨んでいる」という点も、太陽と月がラーフやケートゥと絡むと何かしらの問題を引き起こす事が多く、一般的にネガティブなコンビネーションだと言われています。
神話をからめて考えると面白いですし、理解が深まりますよね。
本日はこの辺で。
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