カランカラン~

腹を空かしていた僕は、少し早歩きで道を歩き、いつもの中華料理屋に入った。

店内は内装もテーブルも真っ赤で、壁にはズラリと並べて貼られた料理の名前が、壁を埋め尽くしている。


「一体、いくつレパートリーがあるのだろう…」

そんなことを思っていた僕に、お茶を持った女性が近づいてきた。

「ナニニ、ナサイマスカ?」

カタコトな日本語だ。

赤いチャイナ服がよく似合っている。

僕は迷わず

「野菜炒め定食で」

と返事をした。

「アイ~」

と言い、その場を後にする女性。

「あ、あ、すみません!」

僕は思わず呼び止めた

振り返る女性


「ご飯少なめでお願いします」

ここのご飯はいつも多めなので、炭水化物を採りすぎないよう注文した。


「あぁ~?」

と聞き返してきた女性…


伝わらなかったようだ…


もう一度滑舌よく


「ご飯 少なめで お願いします」

と言うと

「あ~あ~」


と眉を上げ、女性は納得した様子でコックのところへ消えていった。


それから少し経ち、

「ヤサイイタメテイショクデス」

と、ホカホカの定食が僕の前に並べられた…

いろんな野菜を使った野菜炒めが彩り豊かで、目の前がパァ~っと明るくなった気がした。

程よく使われている油が、野菜を光らせていて、食欲をそそる。


「すぅ~」

と目の前の空気を吸い込み、香りを楽しむ僕。

そして、箸をとり、心の中で、いただきます。と呟き、いざ料理に手をつけようとした、その時!



何かの異変に気が付いた。























「ニラが少ない…」



















料理を持ってきてくれたのはいいものの、肝心なご飯は普通盛りで、

代わりに野菜炒めのニラが少なくなっていたのです。

いつもは、この店の野菜炒めはニラがもっと多いのです。






これ絶対勘違いしてるよね?



ご飯とニラ









でも、おいしくいただきました!




ごちそうさまでした!!





チャンチャン!

















~中華料理屋物語、第二部~









ご飯とニラをまちがえて、ニラが少なくなった野菜炒め定食を食べていたそのとき、

二人組のカップルが入ってきました

中華料理屋には、僕とそのカップルの計3人だけ


二人の声が僕のところまで聞こえてきます。

イントネーションからして、おそらく中国の方だ。


そして店員がきて、注文を受け付けはじめました。

カタコトな日本語で

「ナニニ、ナサイマスカ?」

中国人のカップル

「マーボー…ドウフ…デ、オネガイシマス」



おいおい

あんた達、中国人どおしなんだから無理して日本語で会話しなくても…w



その後、厨房の方へ消えたウェイトレスの中国語の声が店内に鳴り響く…


「はっ!!」


と思わず目を見合わせるカップル


「ぷぷっ」

と思わず、笑ってしまう僕


金曜の夜、とある中国料理屋での、ほのぼのとしたひとときでした☆



チャンチャン☆