『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(日本、2023年)
を観た。
園子の招待で八丈島へホエールウォッチングに向かうことになった少年探偵団、毛利親子、アガサ博士。
八丈島にはインターポールの施設「パシフィック・ブイ」が建設され、
その施設に黒の組織・ピンガが潜入したと赤井から連絡を受けたコナンは
パシフィック・ブイを見学している中で、年齢を重ねても本人認証ができる「老若認証システム」とその開発者である直美・アルジェントと出会うのだが・・・。
劇場版名探偵コナンの26作目作品。
前回から約2年ぶりに再鑑賞。
前回の鑑賞時点よりもコナン世界の知識が増えており、
これまでの29作品を観たうえであらためての再鑑賞で、好みは抜きにしてコナン映画の最高傑作だと思う。
(好みでいえば、わたしのベストは『から紅の恋歌(ラブレター)』)
▼前回のレビュー
(客観的に)コナン映画の最高傑作である理由
コナン映画といえば、本編の中には組み込みづらい、
お祭り感のある豪華な番外編といった様相だけど、この『黒鉄の魚影(サブマリン)』は違う。
本編の一部として存在してもおかしくはないほど、
コナン世界のコア要素に絡んだ内容。
本作は、漫画およびアニメの本編に登場する「漆黒の特急(ミステリートレイン)」の後日譚にあたるような内容で、
黒の組織×灰原哀の因縁を描くストーリーの完結編のような位置づけにある。
工藤新一がコナンに変化したのは、黒の組織が原因であり
『名探偵コナン』という作品が目指すゴールは、幼児化を解くとともに黒の組織を壊滅させること。
その「幼児化する薬(APTX4839)」の開発者でもあり「黒の組織」に追われる身で
コナンと同じく幼児化して少年探偵団の一員でもある灰原哀は、作品世界を包む謎の最大のキーマン。
灰原哀はそういった背景を抱えながら、
コナン(工藤新一)を意識するサブヒロイン的な立場でもある。
本作は物語の根幹、「工藤新一の幼児化」という黒の組織側から見たときの最大のトリックがバレて、最悪のエンドを迎えるかもしれない緊張と
本音が見えづらい灰原哀の恋心とその幕引きを同時に描く傑作。
黒の組織が登場する回はコナン世界が確実に前進し、一気に作品が引き締まる。
作画がとにかく流麗でスタッフの方々の思い入れもひときわ強いのだろうなとも思う。
コナン映画の観光映画的側面も果たしていて、八丈島という舞台も魅力的だよね。
前回鑑賞との比較
前回の鑑賞時にはまだ安室と赤井さんをやっと把握したくらいだったけど、
今回はアニメ第一シーズンから最新回まですべて把握したうえで再鑑賞。
前回はキャッチできていなかったキール(水無怜奈)にも目を留めることができた。
OPでキールについてCIAのスパイだと言及があるけど、前回はピンときていなかったが
今回はキールの言動の背景に説得力があり、より作品を立体的に見ることができた。
それはベルモットに関してもそう。
黒の組織の幹部でありながら、コナン達に肩入れし続けるベルモットの人物像を把握したうえで観ると
ラストの展開によりしっくりくる。
総評
出来栄えと、作品世界における位置づけでコナン映画の最高作品。
映像も素敵で、水辺や水中のアクションと作画には惚れ惚れする。
ただ、しばらくコナンから離れており、安室や赤井さんにもなじみのない人が
コナン映画を観てみよう、といきなり手を伸ばすと楽しみは半減するかもしれない。
事前に本編アニメ「黒の組織との再会(ミステリートレイン)」を観てからの鑑賞がおすすめ。

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