12月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:208
ナイス数:87

 

12月は1冊だけ。

流行している小説だけど、Not for me !!

 

 

宮島未奈『成瀬は天下を取りに行く』


連作短編集。

成瀬の観察記。

成瀬は圧倒的主人公。

新たなロールモデルなのかな。中高生には希望の星のように煌めいて見えそう。

 

Not for me 作品。

出来事が羅列してあるだけ。

短編集だけど、表題作が抜きんでいている。

表題作が100だとしたら、それ以外は3くらい。

 

表題作は地方百貨店の閉館という地場のセンチメンタルな事象という題材、

一見意味がないことに思えたTVの映り込みが実は入院中の祖母に姿を見せるためという目的があったという帰結が素晴らしい。

他作品では題材の面白さや奇行のインパクトは薄いし、どんどん成瀬がどこにでもいる普通の天才変人になってくるように思った。

 

ストーリーよりもキャラの魅力で読ませるタイプの作品だけど、肝心の成瀬がそんなに魅力的じゃない。 

中学生が思い描くスーパーヒロインで、行動力があるのは分かるんだけどパーソナリティや信念がまったく分からない。

昔からどこにでもいる頭の良い変人という風情で、そこまでの斬新さや新時代感はない。

理想や信念や目的がないぶん、ただ衝動的に行動している思春期の子って印象。

 

なにより安心して変人でいられる外圧の低さが、羨ましすぎる。

関西の都市部からほど近い郊外ってもっと厚かましいオバハンが学生でもなんでもにじり寄ってきて、

本人に対しても失礼なことを平気で言ってくるしね。

変わった子くらいでほっといてくれるのは成瀬が優秀で上位校だからなんだよ。 

20年後の成瀬が気になる。

 

読了日:12月13日