6月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:816
ナイス数:15
6月は3冊。
数年ぶりにクリスティー作品を読んだ。
アガサ・クリスティー、加賀山卓朗訳『葬儀を終えて』
加賀山卓朗氏の新訳版。
安らかな死を迎えた大富豪。
葬儀のあと遺言を聞く最中、彼は殺されたのだと妄言のように語る義妹が翌日に殺害され・・・。
ホームドラマのような人間模様の複雑性の中に事件解決の道のりが同居するのがクリスティ作品の特徴だけど、
今作も真相は意外なところに存在する。
そんなトリックはバレずに実現するのか!?と疑いたくもなるけど、
このトリックにさほどの違和感がないくらい、
20世紀前半のイギリス上流階級では"人物の透明化"がこんなにも自然だったのだろうと感じてしまった。
読了日:06月29日
谷川俊太郎、ブレイディみかこ『その世とこの世』
谷川俊太郎とブレイディみかこの往復書簡。
まったく交わらないし、噛み合わない。
この本を読むと、二人は互いに正反対かつ影響を及ぼさない二人のように思える。
ブレイディさんは環境によって自己が形成された人って感じだし、
谷川さんは内面の奥底から沸々と自己を形成している人って感じ。
お互いの違いが刺激にならず、それぞれの言葉がその世とこの世のあわいにするする落ちていくよう。
お互いのところまで熱を持って届かない。
こんなにちぐはぐな往復書簡も珍しいんじゃないの。
読了日:06月12日
チョン・ムンジョン、 幡野 泉 訳『無礼な人にNOと言う44のレッスン』
軽やかそうなタイトルだけど、実に身の詰まったエッセイ。
韓国で女性として生きることは日本で女性として生きるよりも辛苦が多いのだと思う。
それでも、描かれているメッセージには普遍性があって、日本で女性として暮らしてても当てはまるし、
無礼な人の暴言なんて気にせず、わたしは大丈夫!と強く勇気づけられる。
読了日:06月01日