4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1481
ナイス数:26

 

4月は7冊。

小説とエッセイと絵本と実用書と。

 

 

アントニオ・タブッキ、和田忠彦訳 『夢のなかの夢』

 

タブッキが愛する芸術家たちが見た夢を想像で練り上げる連作短編集。

なかなかに悪夢が多い。 

現実と夢を往来する浮遊感、夢遊の恍惚がタブッキの魅力だと思うけど、

この作品集では全部が夢のなかに収まっている。着想は面白いけど、読んでいて夢想にときめくことはなかった。 

カラヴァッジョの夢が一番好きかなぁ。 

帯にある「小さな夢の標本箱」という評は言いえて妙。

読了日:04月29日

 

 

パリッコ『酒・つまみ日和』

 

コロナ渦中の酒とつまみのエッセイ。 

お金をかけて贅沢をするんじゃなくて、

日常の隙間に楽しいことが落っこちてないか足元を確認していくような味わい方が好き。 

日常のワンダーにまみれた食道楽の精神がとても好き。
読了日:04月28日

 

 

 

『佐野洋子 あっちのヨーコ こっちの洋子』

 

佐野洋子さんの作品の一部抜粋たちと、洋子さんと親交のあった方たちの寄稿文で構成された、

佐野洋子ファンのための一冊。 

完璧に良い人ってわけじゃなくて、毒も含んだ観察眼が気持ち良くって魅力的な方だよね、ヨーコさん。 

亀和田武さんの寄稿文「一流の悪口」、

悪口ってのは語り手の品性が問われる人間ウォッチングだけど佐野洋子さんの"喋り芸"は一流で格好良かった、

という記述は印象的だなぁ(p.69)
読了日:04月28日

 

 

安達裕哉 『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』


特に新社会人に向いてそうなコミュニケーション教本。 

相手がどうすれば楽か想像し「気を利かす」ことがコミュニケーション能力、というのはその通りだと思う。
読了日:04月27日

 

 

いしかわゆき『聞く習慣』


タイトルは大仰だけど、20代の方向けのコミュニケーション教本な気がする。 

人に興味が持てない、という入口が共感できる人向けかな。 

コミュニケーションがあまり得意でないタイプという自覚がある20代前半くらいに特にマッチする内容に思える。
読了日:04月21日

 

 

村上春樹・作、安西水丸・絵『ふわふわ』


絵本の体裁でページ一面のイラストと大きな文字だけど、内容は完全に大人向け。 

年老いたおおきな雌猫をひたすら愛でていて、

猫が全体の構図に収まりきらずフレームアウトしているイラスト構成が良い塩梅だなぁ。
読了日:04月13日

 

 

デイヴィッド・マークソン作、木原善彦訳『ウィトゲンシュタインの愛人』


<アメリカ実験小説の最高到達点>と帯で称される作品。 

地球最後の女性が、不確かな記憶を頼りに様々な場所や時代や偉人を逡巡し、タイプライターで書き綴る物語。

困惑するし、日本語としてのなめらかさはないので読みにくいものの、

豊かな思索の連なりは魅力的なんだろう。 

うーん。

確実に読書中級者以上向けであることは間違いない気がする。

読み手の知性が試されますな。
読了日:04月09日