『カラオケ行こ!』(日本、2024年)

 

を観た。

中学生合唱コンクール全国3位の合唱部を率いる部長の岡聡実は、

訳あってヤクザの成田狂児に歌のレッスンを頼まれるのだが・・・。

和山やま先生の同名漫画の映画化作品。

 

もうNetflixで観られるなんてすごいなぁ・・・。

和山やま先生の原作は未読。

 

うーん。変な映画だな・・・という印象。

 

ハイライトは下記3点。

 

▼関西弁が気になる・・・。

▼漫画的設定を実写化することによるシュールコメディの打ち消し

▼リアル中学生が演じる映像的リアリティ

 

 

関西弁が気になる・・・

 

舞台は大阪なので関西弁でストーリーが繰り広げられるんだけど、

それが変なんだ・・・。とても気になる。

 

狂児の組仲間のベテラン勢はともかくとして、

それ以外のキャスト全員の大阪弁が非常に違和感がある。

 

一応、社会人9年を大阪で過ごした身としては、

イントネーションやテンポが違うし、言い回しがやたら丁寧なように感じる。

 

京都の旅館で、外様の観光客向けに使うようなやんごとないオモテナシ関西弁みたい・・・。

 

「~してはりますか?」というのも

「~されとります?」とか、「~しとられますか?」のほうがまだナチュラルなような。

 

「~がいてはる」というも実生活ではほぼ聞いたことがないし、

「~がおる」という言い回しのほうが自然かなぁ。

 

お公家さんか!とつっこみたくなる。

アクセントはともかく、関西弁はスピードが早いし、勢いよく一音に力を込めて話すから、

こういう映像化作品の関西弁は、話し方が遅すぎるのが違和感の一番の原因な気がする。

 

 

漫画的設定を実写化することによるシュールコメディの打ち消し

 

設定は漫画では違和感がなさそうだけど、

生身の人間で演じるとなるとどうしても、

男子中学生に対してヤクザが先生とありがたがる、というシーンの不自然さが目立つ。

漫画なら、屈強な百戦錬磨の大人たちの一枚上をいく中学生というのはシュールな面白さがあるけど、

実写だと変なんだよ。ものすごく。

あんまり笑えない。

 

そして歌ヘタという設定の綾野剛も上手くはないけど、

声量があるし、一般人ならいうほど下手かなぁとも思うしね。

 

 

リアル中学生が演じる映像的リアリティ

 

中高生役を20代の俳優が演じることが一般的になり、

それどころか30代が高校生役を演じるようなこともある昨今の実写化作品事情のなかで、

今作の主人公・岡聡実役の 齋藤潤は撮影当時、リアルで中学生だよね。

 

そうそう、実際の中学生ってこのくらい幼いんだよね・・・ということをあらためて思い出した。

大人っぽい子もいるけれど、特に男子は青年というよりは少年という印象の人が多い。

 

声変わりというのが本作の重要なキーポイントになっているので、

変声期の中学生に見える、という真実味があるのはとても良いなぁと思った。

 

聡実くんがリアルに中学生なおかげで、

40代の綾野剛とのツーショットはかなり違和感で、

叔父さんと甥っ子か、大人と子どもとして完全に分け隔たれた年齢だよなぁと改めて感じた。

 

あんな様子で二人が歩いていたら職務質問されそうだ・・・。

 

 

 

総評

 

ん~。

気になるところが多すぎて、ストーリーがあまり入ってこなかったかも。