『パトリシア・ハイスミスに恋して』 Loving Highsmith
を2023年10月25日に試写会で観た。
映画化された『キャロル』『見知らぬ乗客』『アメリカの友人』『太陽がいっぱい』を記した
アメリカ出身の小説家パトリシア・ハイスミスの素顔に迫るドキュメンタリー作品。
1920年代生まれで、主に1950年代から80年代に目立って活躍した作家だけれど、
『キャロル』が近年映画化されて話題になったね。
『キャロル』は自伝的小説のようで、
わたしは知らなかったけれど、パトリシア・ハイスミスは同性愛者なんだね。
そして、アメリカの作家だというのも知らなかった。ヨーロピアンだと思っていた。
今回のドキュメンタリーは、存命のハイスミスの元恋人たちが出演し、
当時のゲイ文化や彼女との思い出を語りつつ、
映画化作品を織り込み、ハイスミスの人生を辿っていくような構成になっている。
出演される元彼女たちはお年を召されているけれど、誰もが堂々としていてお洒落で魅力的な女性たちばかり。
ドキュメンタリーで語られるハイスミスは、自由で溌溂としていて非常に魅力的だね。
トークセッションでは、『キャロル』の翻訳者・柿沼瑛子さんがいらして
ハイスミスについてお話されていたけれど、
アメリカでは最後まで人気が出なかった・・・というのは意外すぎるけど、
今後再評価が進んでいきそう。
柿沼さんが翻訳されたハイスミスの自伝も近々発売されるようで、そちらも読みたいな。
ヒッチコックの映画もめちゃんこ好き。
この作品のアラン・ドロンの美しさたるや・・・。
『キャロル』は史上初のハッピーエンドの同性愛小説、と劇中で紹介されていたのが印象的だった。