イングリッシュ・ペイシェント (字幕版)

 

『イングリッシュ・ペイシェント』(アメリカ、1996年)

 

を観た。

 

第二次世界大戦下のイタリア。

野戦病院の看護師ハナは、全身火傷の重傷を負い記憶喪失の The English Patient (イギリス人の患者)と

うらぶれた修道院で過ごすことになるのだが・・・。

 

 

びっっくりするほどつまらない。

酷評しますので、この作品が好きな方は決して見ないでください。

 

 

有名作品なのでいずれ観ないといけないと思っていた宿題映画だったけれど、

絶対に気に入るはずだと最近になって太鼓判を押された作品なのでやっとこ鑑賞。

 

・・・。

ここ最近観た中でもワーストかもしれない。

 

この作品の唯一の救いは、

ジュリエット・ビノシュが演じる、無垢で慈愛に満ちた女神のような女性ハナ。

彼女の誰とでも打ち解ける雰囲気や柔らかな表情にはずっと魅了された。

 

んー。

でも、それだけかも。

 

この作品は、

野戦病院を離れて静かに The English Patient (イギリス人の患者)との最期を看取ろうとするハナとの暮らしを描く現在と、

The English Patient (イギリス人の患者)がこんな姿になる前のアフリカでの不倫ストーリーの過去が

交錯する。

 

この題材を使ってもっと映画的なカタルシスを与える展開にすることはいくらでもできたのに、

とにかく冗長。

この内容で162分は信じられないほど長い。どうでもいいことばかりに時間が使われている・・・。

どこにも琴線が触れない。

 

現在の物語では、命の危機に瀕した患者達それぞれに博愛をふりまいていたハナが

なぜThe English Patient  を特別扱いして修道院で暮らすのかがよく分からないし、

ハナとThe English Patient  の間には恋愛関係もなく、それどころか特別な人間関係が育まれていかないのが

現在と過去を繋ぐ叙情性にかけ、ハナとThe English Patient 過去話が何の関連性もなく散漫な内容に感じる。

 

そして、作品の要である

The English Patient  の正体・ラズロの砂漠での不倫物語が

何を見どころにしていいのか分からないくらい、かなりどうでもいい。

 

わたしは不倫に対して抵抗感もないし、ストーリーが面白ければ映画の倫理性は問題にしないけれど、

ラブストーリーとしては致命的にラズロの不倫物語に一切の魅力を感じない。

 

砂漠という舞台設定は異国情緒もあって神秘的かつ野性的で引き込まれるし、

大戦下で起こっている数々の出来事の衝撃はあるものの、

登場人物たちの心の動きに揺さぶられるようなところが何もない。

 

ハナとThe English Patient の関係を丁寧に描くのではなく、

修道院に複数の人間がやってくるのは、作劇上でかなり意外ではあった。

 

 

んー。

ここまでつまらなすぎる映画は久々かもしれない。