『さかなのこ』(日本、2022年)
を観た。
さかなクンの自伝エッセイを基にした映画作品。
子どものミー坊が「さかなクン」になるまでを描く。
なんて良い映画なんだろう。
大好き。
こんなに一貫した人生って、観ていてこちらが満たされる。
さかなクンは男性だけど、この作品ではさかなクン(=ミー坊)を
女性の「のん」(能年玲奈)が演じている。
冒頭に「男か女かは、どっちだっていい」というコメントが出てるけど、
さかなクンは男か女かなんて気にならないくらい個性が際立っている人だし、
のんちゃんのニュートラルな雰囲気も、すごく役に合っていた。
のんちゃんは長身で細身で、学ランもめちゃくちゃ似合うのも素敵。
子どもの頃からお魚が大好きで、
ずーっと一貫してお魚だけを追い求めてたミー坊に
友人たちも温かい感情を持っているというところが良いなぁ。
子どもが成人してスターになるまでの話なので、
数十年の月日を描くけど、省略の仕方が見事だなぁ。
台詞で語らせず、家の中の風景が変化したことで家族の形が変わったことを示している。
ミー坊のお母さん役の井川遥はめちゃくちゃ綺麗だし、
風変わりなミー坊を全然否定しないところが良い。
友人のヤンキーたちも、ミー坊のことを認めていく流れも最高。
とっても癒される。
多様性の時代と言われる2020年代より前に、
ちゃんと自分だけの道で多くの人にリスペクトされてきたさくなクンは本当に凄い。
変わり者の自分を誇らしく思えるような映画だ。
映画の中でのインパクトは、
三宅弘樹さん演じるミー坊のお父さんがタコをしめるシーン。
あの異常なまでの潔さが、ショッキングで忘れられない。
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