『離婚しようよ』(NETFLIX、2023年)
を観た。
政治家の夫・大志と、女優の妻・ゆい。
関係が破綻した夫婦が離婚に向かいつつも、ともに選挙活動を戦い抜くストーリー。
NETFLIXオリジナルドラマ。
二日で一気に鑑賞。
選挙を題材にしながらも深いことを考えずに、気軽に観られる楽しい夫婦コメディ。
※ネタバレ含みます。
全体の感想
楽しい!面白い!
同じく2023年に公開されたNETFLIXドラマ『初恋 First Love』は
シリアスで抒情的かつ絵作りも見事なラブストーリーだったから、観るのも体力を使ったけど
この作品はゆるっと鑑賞できる。
ともにラブストーリーではあるものの、全然違う需要に応えてる。
脚本について
このドラマの特筆すべき点は、宮藤官九郎と大石静の共同脚本。
共同脚本の企画はままあれど、
一話ずつ担当するのではなくリレー小説のように交互に書き進める、という形式はあまり聞かない。
得意なスタイルの違う二人がタッグを組んでいるので、
ところどころめちゃくちゃな展開に転んだりしているのが楽しい。
このシーンはここで相手にバトンタッチしたんだろうなぁ・・・と感じるシーンがちらほら。
具体的に言うとこのあたり。
▼ゆいと恭二のベッドシーンの最中、スマホが鳴るシーン
誰からの連絡?と感じさせるところで、相手に展開をまかせた感じ。
電話の相手は兄弟だけどそこからの2場面はストーリーに全く関係ないし、
民放で尺の決まったドラマならカットされるように思う。
▼週刊誌にW不倫が載るシーン
いったい誰がリークしたの・・・というところで、バトンタッチの気配。
▼恭二の一挙手一投足
全編を通して感じる。
つかみどころのないキャラクターではあるけど、ギャグとセクシーのシーソー。
基本的には脱力系セクシー色男なんだけど、川で溺れる挙動はコントですやん。
おっとりのっそりかと思えばキレるし、キャラの一貫性が良くも悪くもあまりない。
キャスト
主演の二人は
松坂桃李が同い年で仲里依紗が一つ下なので完全に自分と同世代。
同世代のドラマだと、やっぱり親近感がわく。
松坂桃李のライバル候補者役の山本耕史がいいな~。
ティモンディ高岸との胸筋対決は思わず噴き出した。
あとは、誰よりも台詞が多いんじゃないかと思ってしまう竹下景子さんのパワフルな演技も見どころ。
ずーっと話してて常に何かに怒っている。
錦戸亮はしばらく観てなくて、
彼の演技といえばいまだに『ラストフレンズ』のDV男が脳裏に焼き付いてる。
上でも書いてるけど、わたしにとって恭二はオモシロキャラだなぁ。
物語のラスト
中盤からはダメダメなぼっちゃん議員・大志の成長ストーリーになる。
もともと悪党というわけじゃなくて、流されやすい性格なだけなんだよね。
最終的には、ちゃんと軸をもって選挙を乗り切り、迎えたラストも綺麗に終わらせようとしなくて良いなぁ。
離婚したい夫婦という題材で、
離婚したままなのか復縁するのか、というポイントをこの作品ではこう選んだのも
イマドキな感じがして良い。
あと、
色々あった山本耕史がラストで夫婦仲良くパン屋やってるのが、この作品で一番お気に入りの展開だなぁ。
夫婦の行く末として一番推せる。