『菊次郎の夏』(日本、1999年)
を観た。
小学生の正男は祖母と住み、父は亡くなり母は遠くで働きに出ていると聞かされている。
夏休みの正男は箪笥の中から母親の写真と住所を見つけ、母へ会いに行こうと決意し、
子ども一人の旅を案じたチンピラ中年の菊次郎と二人で向かうことになるのだが・・・。
ロードムービー。
映画は初めて観たけれど、
劇中のメインテーマは耳に馴染むほどこれまでの人生で何度も聞いた覚えがある。
もともとはこの作品の音楽なのか!と感慨があるなぁ。
ストーリー自体は、「母をたずねるロードムービー」で、
劇中でもメイキング映像でも言及されているとおり、
オチもよくある話。
ただ、この作品の個性はやっぱり菊次郎のキャラクターだよね。
破天荒で乱暴者だし「お前ばか野郎!この野郎!」と子どもにも怒鳴ったりするけど、
意外にも正男にはべらぼうに優しい。
はみ出し者で危険な人物なのに、
正男にとっては最高に信頼できる大人という風情がちょっとノスタルジックで妙味ある。
道中に出会った男性たちも、
正男を可愛がってくれるし、望むべくして菊次郎の子分みたいになってる自由な姿もいいなぁ。
それはともかく、
メイキング映像を見ると、主演兼監督ってめちゃくちゃ大変・・・と改めて感じる。