『水は海に向かって流れる』
を完成披露試写会(舞台挨拶)にて、作品を公開より一足先に鑑賞。
そもそも、田島列島先生の原作が大好き。
公開を待ち望んでいたので、
完成披露試写会でキャスト・監督のみなさんのご挨拶と共に本作品を鑑賞できたことがたいへん幸せ!!!
こんな豪華キャストで映画化されたこと自体が嬉しくて嬉しくてたまらない!!!
舞台挨拶付きの完成披露試写会では、他の作品とは比較にならないほど
10代~20代前半の女性客が多く、広瀬すずさんの登場で「キャー!」と歓声が上がるほど、
彼女のファンの方が多い様子だった。
生で観る広瀬すずさんは小顔でスタイル抜群で、キャミソールドレスも綺麗に着こなされていた。
小柄なイメージがあったけど、舞台の上ではそれを感じさせないほどスラッとした印象だったなぁ。
ともすればシリアスになりそうなストーリーだけど、
シリアスで緊張感のある要素を担うのは広瀬すずさんが演じた榊さんのクールビューティーのみに集中し、
シェアハウスのメンズ達のお気楽そうで人生を楽しんでいる大人たちというワチャワチャ感が観ていて心地良かったな。
猫も可愛い。ご飯もすごく美味しそう。
北村有起哉さん演じるお父さんが小市民的で常に蛇足なのがコミカルで、情けなさの塩梅がとても良かった。
「いらんことすな!」と何度も心の中でツッコむよね~。
極めつけは、役の年齢よりも若い高校生役のお二人の存在感と演技が素晴らしく、
大西利空さんと當真あみさんはこれから大スターになられるんでしょう。
舞台挨拶でも緊張はされているんだろうけど堂々としていたなぁ。
あとは・・・
原作ファンなので辛口になるけど、
広瀬すずさんを起用することで画面の華やかさは増したけど、
実年齢よりも年上の「お姉さん」を演じるために、大人っぽいメイクをしているのが逆に背伸び感を感じたし、
つっけんどんな態度でいるのが美貌も相俟ってあまりにも冷たい印象を受けた。
榊さんはキレイ目なお姉さんキャラじゃないし、童顔な20代後半女性もいるから、
もっとありのままの広瀬すずさんでも良かったような・・・。
やけに賑やかでオシャレなシェアハウスの様子や、個性的な衣裳も、
静かな中にほんのり染み入るこの物語にはトゥーマッチにも感じたなぁ。
ところどころ、演出が変な感じはしたけど、
この物語が映画となって多くの方の目に触れること自体に感謝!!!!
原作コミックスの感想
以前に読んだ原作の感想については以下に転載。
『水は海に向かって流れる』1巻-2巻
奇しくも父親がW不倫してかけおちした女性の娘と複数人で同居することになった高校一年生ナオタツ。
ボーイミーツガールものとも言えるけど、
親の不倫相手の子ども同士の二人は、ナオタツ15歳に対してチサは26歳。
高一と会社員って天と地ほど違いそうだけど、二人の精神年齢は同じくらいなんだよね。
ナオタツがかなり大人。自分の気持ちよりも人の気持ちを考えるし、
自分のご飯だけじゃなくて誰かのご飯もついでに作るような余裕もある。
なんでこんなに聞き分けがよくて思慮深いんだろう…と恐れ入る少年ナオタツ。
W不倫の果てにかけおちした過去のある父親はぼけっとして善良そうなおじさんなのが、現実だなあと思ってしまう。
奔放なタイプのほうが諦めもつく。
父親が帰ってきたナオタツの家に対して、チサの家は母親がW不倫で家を出たまま10年間帰ってこない。
こんな現実を15歳に受け止めさせるなよ大人ども!とつっこみたい。
けど、ナオタツが凄いのは、自分より傷ついてるはずのチセを気遣うんだよね。15歳が26歳を。
頭が下がる。
わたしも、ナオタツの同級生でありたかった。
『水は海に向かって流れる』3巻
完結巻。
ナオタツ・・・!
全人類が、全男性がナオタツだったらいいのにな!と思ってしまう理想の男性。
あまりにてストレートで衒いなく、
傷をいやしてくれて気持ちの置きどころをつくってくれる。ずっと年下の男の子。
年の差も関係なく、魂というかその人そのものをみて接してくれる。
榊の母への想いを「死ぬまでずっと俺が覚えていればいい」と決意する純粋さ、
「榊さんと一緒にいること以上に うれしいことなんてない」と正面切って言われてみたい。
シレッと幸せになればいいの。
素晴らしい。ぜひ映画化してほしい。