お勢、断行 @世田谷パブリックシアター 2022.05.14

 

を観た。

 

原案・江戸川乱歩、音楽・斎藤ネコさん、

江口のりこさん出演というのに惹かれて。

 

1階の前から三列目の席で、

役者の方のまばたきや息遣いまでつぶさに感じられた。

 

ストーリーを調べてみるも、

前情報ではあまりヒットするものもなく、

完全に今回が初めてこの物語を知った。

うーん。

まず、病院と屋敷のシーンのセットが同じだから、

この二つが別の場所だと認識するのと、登場人物たちの人間関係を把握するのに30分かかった・・・。

 

ストーリーをかいつまんで言うと、次のような感じかなぁ。

 

大正時代。有力者の夫に虐待されている妻が、協力者たちとともに

その夫を精神病院に送り込んで廃人にするという計画を立て、まんまと成し遂げる。

計画の成功後、協力者たちとの内部の抗争や

夫の身内たちに疑いをかけられ、あれよあれよと疑心暗鬼と争いが生まれ複数の人間が死ぬ。

 

うーん。説明しづらいし、この説明だけだとまったく面白そうではない・・・。

時系列が一直線ではなく、いきなり一か月後・一か月前に逆行するのも

こんがらがる要因かも。

 

「お勢、断行」というタイトルで主犯を連想するけど、

お勢が一連の事案の首謀者かといえばそうではないんだよね。

たまたま居候している家で起こった隠された犯罪を見抜き、盛大に面白がって

人をけしかけしていく悪女。

怖いものなしの不敵な美女・お勢。

なんでもお見通しで高みの見物を決め込むかと思いきや、自分の手も汚すんだよね。

生まれながらの愉快犯みたいな美しい女性、って黒蜥蜴を連想させる。

 

お勢役の倉科カナさんは着物・洋服も

衣装替えが何回あったのかな。役にふさわしく艶やかで素敵だった。

 

江口さんは相変わらず細身で胴体が薄く、

しれっといけしゃあしゃあとしている演技もさすがだった。

 

福本莉子さんはドラマ「消えた初恋」にも出演していた女優さんで、

お人形みたいに整った華やかな容姿と、役に合った娘さん然とした雰囲気がとても良かった。

 

齋藤ネコさんの音楽は、

同じく大正時代をモチーフにした椎名林檎さんのMV「STEM」を感じさせるベース音が

たまらなく良かった。

あと衝撃的なシーンの映像描写の投影手法もとても良かった。

 

 

お昼は人生初の、鴨焼重。

お肉はね、鴨がいちばん好き。

お吸い物もね、美味しかった。