『ゾクッ東京怪奇酒』

依頼者のお導きで縁切りと縁結びの神社を参拝した章のラストでさらっと、

半年後に壇蜜さんと結婚することができましたと

デレデレの表情一コマで報告しているのが好き。
吞み助ライターのパリッコさんと飲み友達なんて、羨ましい!

壇蜜さんがパートナーなのも羨ましいけど。


『税金で買った本』1巻

知られざる図書館の裏側を描く漫画。

この切り口は新しい!

主人公のヤンキー石平くんは初心者ナビゲーターとして、

この世界に入っていく役割。

本の頁を切り取って、別の本のしおりにするってクレイジーなエピソードがある。

 


『税金で買った本』2巻

主人公の石平くんの人間性というかキャラ設定が分からず読み進めていて、

「俺は税金払ってねーけど」という台詞ではオイオイと呆れたけど、

彼は高校生なのか!

広げたシャツにTシャツインして登場してたから、完全に私服認識で

フリーターなのかな、と思っていた・・・。

 

 

『チ。』第1集~第7集

数々の著名人おすすめの漫画。

噂に違わず、めちゃくちゃ面白い!!!!

 

特に一巻の面白さは異常。一巻のラストは想像しえないよ。

近年まれに見るスピード感のある展開。

1巻の12歳の主人公が地動説にのめり込んで活躍するストーリーではない、

多くの人のチ(地、知、血)が累積する大河ドラマ。

主要登場人物の少なさに対して、

時系列のスケールの広がりが画期的。

おそらく次巻で完結でしょう。早く読みたい。

 

 

『当然してなきゃだめですか?』

あー、もう!シモダアサミさん好き。

反語表現というか、「だめじゃない!」が内包されているタイトルと内容。

TL漫画家でありながら男性未経験の主人公と、

彼女の周りの人たちのセックスにまつわる話。

すごく真面目に、相手との関係を築くコミュニケーションのひとつとしてのセックスの立場を明らかにしている。

したくないなら別に一生しないでもいいし、

愛する人としたいならその相手とだけ存分に、目くるめく新しい扉を開きたいならどうぞ、

子作りの義務と目的よりも愛を重視するんならどうぞ、とダイバーシティな態度がある。

令和になってヤラミソも増える一方だと思うし、性経験は別に、

留学経験あるなしレベルというか、そうでもそうでなくてもそれは個人の選択と環境ですよね、ぐらいな感じする。

シモダアサミさんの作品は肯定的に揺さぶってくれるから、好き。

 

はるこ 『お見合い結婚』

うーん。酷評しちゃう。

この作者のヒロインって、

自分の魅力はさておき相手は100%完璧なスーパーダーリンじゃないと納得しない、

すごい自分勝手な性格なんだよ。ぜんぜん気付いていないし、誰からも指摘されないけど。

特に仲の良い人じゃなくても、会社の人に自分の恋愛事情をぺらぺら喋りすぎるのも子どもっぽい。

自分が恋愛相手だったら、こんなに誰彼構わず愚痴ったり二人の秘密を話されたくない。

人のことをなりふり構わず好きになったことがあるんだろうか。

自分のことを卑下する必要はないけど、好かれて当然なティーンみたいな感覚で、

主人公と同年代になった33歳のわたしは、なんでこんな魅力のない女の人がモテるんだろう、って嫌になる。

相手は望んだとおりじゃないといけなくて、自分は満足に愛されるほど完璧な魅力があるとでも無自覚に思ってんだよ。

主人公の設定は大学生くらいのほうがいい気がする。デキル女ぶってて、実はかなり幼い。

 

『淡島百景』1~3巻

歌劇学校・淡島に通う生徒・元生徒・教師・ファンなど

淡島にまつわるそれぞれのストーリーを多角的かつ多層的に描く短編集。

秀逸。

それぞれが印象的なエピソードをあっさり短編で終わらせ、

対立する向こう側の人物の業、親の代から受け継いできた苦しみまで描く、

志村さんの射程の広さに恐れ入る。

同世代の成長物語や群像劇とは一線を画す、縦にも横にも大きく視野をとる世界観がすごい。

一巻に収録されている淡島ファンの男の子の話が好き。

 

 

『泣きたい夜の甘味処』

心が疲れたとき、悩みに打ちひしがれたときにほっと一息つける、

クマと鮭が営む日替わり甘味処。

優しい世界。

クマと鮭にはどんなお支払いをするのかな。金平糖とかかなあ。

 

 

 

『わが子ちゃん』1巻

峰さんのパートナー・チャラヒゲさんが

峰さんにゾッコンで母になろうがなるまいが峰さん至上主義なのが良き。

妊娠中の身体や精神の変化だけではなく、

日常において妊婦としての自分がどのように扱われるのか、

妊娠前よりも圧倒的に不躾に距離を詰められ舐められる、という現実を痛烈に描く眼差しが最高。

特に、妊娠体験で、

胎児の重りを乗せられた父候補諸君が「この程度ならヨユー」と、

単に瞬間的な物理的重量のみで、妊婦の苦しみを軽んじるくだりは

義憤を覚える。

物理的重量がただのしかかっているだけじゃないのに、

あたかも苦しみはそれだけのように思えてしまう構造は逆効果だという指摘も鋭い。

妊娠糖尿病と診断され妊娠9か月で野良の妊婦になった峰さん・・・というところで1巻は終了。

まだご出産されていない段階でこのエピソードの濃さ・・・。

妊婦さん漫画の歴史に名を残す傑作。