『動物農場』 ジョージ・オーウェル、山形浩生 訳
を読んだ。
飲んだくれの農場主を追い出して、動物たちの自治にて営む「動物農場」。
平等性と反人間を理念として、七戒を掲げた動物たち。
自由を勝ち取った彼らの中で、徐々にリーダー格のブタ・ナポレオンの発言力が増していき・・・。
支配からの解放をもとめた反乱から、新たなる独裁者の主権が徹底的に浸透していくまでを描く。
欲望がある限り、権力構造からは逃れられないという痛烈な批判が、鮮やかでショッキング。
あーもうなんて!
面白い!そそる!
あっと言う間に読めてしまう、魔術的なエンタメ性がオーウェルの魅力。
七戒が塗り替えられていき、
すべてが独裁者のもとで改ざんされて丸め込まれいく展開はスピード感があって読みやすい。
大胆な嘘をあれよあれよと真実に置き換えてしまう手口は見事。
どれだけ強引で信じがたい理屈も、
ナポレオンの手にかかれば事実になっちゃうね。
動物たちの愚鈍さや洗脳されやすさは、
悲しいまでにナポレオンの思うがままの世界の礎になっている。
大統領選挙に1人しか立候補者がいないことや
ナポレオンの肩書は、すぐに連想できる現実の独裁政治の痛烈な風刺。
立役者をお払い箱にしてウイスキーに替えちゃいかんよ。
独裁者の動物がブタというのもいいな、皮肉きわまる。
めくるめくディストピア。