『ナチュラルウーマン』(チリ、2017年)

 

を観た。

チリ・サンディアゴ。

夜はナイトクラブで歌手、昼はウェイトレスとして暮らす元男性のマリーナは、

恋人オルランドの突然死に立ち会うが・・・。

 

まさか『ナチュラルウーマン』というタイトルの作品を、松浦理英子以外で扱うことになろうとは!

着想も同じだし、LGBTQという題材も同じだしね。

 

『ナチュラルウーマン』のタイトルはもちろん、

かのアレサ・フランクリンの『A Natural Woman』から着想を得ている。

アレサ・フランクリンはこの間亡くなったけれど、

いつだっていつまでも色あせない名曲ですよ。素晴らしい。永遠に生き続ける名曲。

 

ことに、和訳の場面ではNatural Womanを自然な女性とは訳さない。

ありのままの自分、わたしという風にジェンダーを意識せずに訳す傾向がある。

単なるラブソングではなくて、もっと真に迫る愛へ開かれてゆく許しが表現されている気がする。

包容力のある声も、懐の深さを感じさせる歌詞もすべて好き。

 

あとで調べて知ったことだけれど、

マリーナ役のDaniela Vegaは実際のトランスジェンダーの歌手なのね。

確かにそうとう歌がうまくてびびった。

でも、女性なのに上半身裸にさせられるシーンが多くて辛かったろうな。

 

わたしは、裸のインパクトは男性も女性も同じくらいだと感じているし、

男性の上半身裸もなんだか複雑な気持ちになる。

放送コードでは女性はNGで、男性はOKな上半身裸だけれど、どちらも禁止されたらいいのにな。

 

ストーリーは苦しい帰結だけれど、

別にトランスジェンダーでなくても、愛人や再婚後の相手に神経質になる前妻コミュニティは

どこの世界にも存在するよね。

それがいっそう酷い形で見舞われた気もするけれど。

 

愛する人を失うのは、

誰だってつらい。