伊集院静選『うなぎと日本人』

を読んだ。
阿川弘之、戸坂康二、吉行淳之介、矢野誠一、桂文楽、吉田健一、赤塚不二夫、鈴木晋一、三遊亭圓生、坪田譲治、池波正太郎、長谷川町子、橘家圓蔵、山口瞳、坂東三津五郎、高田保、内田百閒、三淵忠彦、宮川曼魚、小川国夫、森田たま、出久根達郎、向田邦子、原石鼎、江國香織、林望、佐藤垢石、伊集院静、林真理子。
錚々たる顔ぶれのアンソロジー。
うなぎにまつわるエトセトラ。うなぎ小噺。

これだけ大勢の作家、噺家、漫画家が参加している一冊だというのに、冊子はとても薄い。
短編というにもまだ足りないボリュームの小作がほとんどだけれど、どれもこれも独特の風味がある。

柔らかい雰囲気の文体から、重厚感のある語り口まで、多数取り揃えてある。
短いからこそ、文章というのはこうも紛れも無い個性が現れるのかとひしひしと感じた。



長谷川町子の「サザエさん」は、4コマ漫画で初めて見た!
「サザエさん」といえばわたしが子どもの頃から、日曜夕方のアニメとしてしか知り得ない。
赤塚不二夫の「天才バカボン」は実は漫画で読んだことがあるよ。

この作品群の中で、江國香織の「薔薇と蒲焼」は異彩を放っているように思える。
江國香織といえば10代半ばのときによく読んだ作家で、日常の閉塞感を忘れさせてくれるような懐の深さに癒されていた。『きらきらひかる』なんかずっとずっと大好き。
久々に江國さんの作品を読んだけれど、
この「薔薇と蒲焼」は夫との日常を綴ったエッセイで、ストーリーはなんてことはない。
大人なのに純粋で感じやすくて、自分の感情に正直なところが魅力的。欲情したりセックスしたり家事をしたり当たり前の大人としての生活があるのに、常識とか社会通念とは別のところの感受性を大切にしている。ように思える。


あいだに差し込まれる江戸小噺も、いいね。


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三重県・鵜方の東山物産のうなぎ。
旨い。平日でもよく混んでいる。
仕事でこの辺りに立ち寄ったときには必ず寄る鰻屋さん。