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鶴田真由『ニッポン西遊記 古事記編』
を読んだ。
女優の鶴田真由とそのご一行の古事記をめぐる旅。
鶴田真由さんは聡明な美人という印象だったけれど、文章から、ほんとうにそういう聡明で感じ入りやすく素直な人なんだなぁと思うた。
まるきり日本が舞台の旅だけれど、西遊記と銘打っているのは、
旅の仲間たちが西遊記ご一行みたいだから。もちろん鶴田さんが三蔵法師。
『古事記』をよすがとして日本の神話を読み解く旅なんだけれど、
いにしえの歴史に詳しい人でなくても、小難しくないのですらすら読んでいける。
多くの人におおきく開かれた旅エッセイなので、小難しいことやスピリチュアルが苦手な人でもたのしめる一冊。
『古事記』は虚実おりまぜというか曖昧で前後関係が食い違うような描写もあるのだけれど、
あまり意味を限定せずに包括的に理解していくものみたい。
神社というのは神道の神殿で、単なるスピリチュアルスポットとしての惹きつけられ方ではもったいない。
この国の系譜、神様の物語、何のための誰のための祭祀施設なのか、
関心をもつきっかけになった。
「国産み」で男神と女神のイザナギノミコトとイザナミノミコトによって整えられた国土と生命。
陰と陽、昼と夜、男と女、みたいに対(つい)というか番(つがい)で物事のあらましを考えていたみたい。
出雲大社にお参りしたことがあるけれど、
国譲りの代償としてオオクニヌシノミコトが建立を要求したという背景や、
夜の時間を司る神社だから、注連縄のしめ方がほかと異なるとか、
脈々と古代から受け継がれてきた物語を知ることで、圧倒的に神秘的なイメージから、より確かな重みと格式を感じる存在へと認識があらたまった。
来月またこのあたりに行く予定があるので、物語を感じながら、まいろう。
出雲を以前訪れたときは、
出雲大社と八重垣神社と神魂神社をめぐったけれど、
ピンと張りつめた空気、身が引き締まるというか締め付けられるような厳粛なパワーを強烈に意識したのが、神魂神社だった。
見事なしめ縄の構えに圧巻される出雲大社や、薄紙に硬貨をのせて沈み方で恋の行く末をうらなう八重垣神社のように
観光の要所になるような派手さはない原始的な神社だけれど、
すさまじい気を感じた。
あと、伊勢神宮は仕事で伊勢に行った際に参る。
外宮から内宮へお伊勢参りするときは、なぜか真夏日で、日が照って暑いというイメージが強いのだけれど、そういうのも
太陽神であるアマテラスオオミカミが祀られているからなのかも。
めぐり合せの意味を知ったような気になっている。
「天の岩戸隠れ」の舞台となったといわれている恵利原の水穴へ
今度は行ってみよう。
あと、ずっと目をつけていた未踏の地、熊野への興味もますます高まった!
熊野古道から続く熊野三山への道のりは、生半可な覚悟で臨んではいけない気がしている。
ここだ!という人生のターニングポイントにさしかかったら挑戦したい。
いにしえの物語の果てに、いまの暮らしがある。
ふと立ち止まって、深呼吸。
