江國香織 「ケイトウの赤、やなぎの緑」
を読んだ。
『きらきらひかる』の十年後。
笑子と睦月、と紺くん。
彼らは十年後も、好きっていう不安定な気持ちだけで、じゃれあって暮らしているのだろうか。
この話、
数年前に読んだことがあって、
笑子と睦月の関係を、思い違いしていたのよね。
ふたりはいまも、あの家で暮している模様。
あ、でもそっから10年後の現在、2012年のいまは、もうべつべつに暮していたりしてね。
それも、いいんじゃないかと思う。それでも、いいんじゃないかって思う。
睦月と紺くんは、別れてしまっていて、
紺くんには別の恋人もいるのだけれど、その別の恋人も笑子と睦月の家に出入りする仲になっているのよね。
この話の主人公は、紺くんの現在の恋人のお姉さん夫婦(これが説明するとややこしいんだけれど、笑子と睦月の家で出会ったのよね)。
このサロンに集うメンバーってのは、余計な常識とか世間体とか、一気に老けそうな柵から自由で、愉しむために生きてるのよね。
紺くんは別のおとこのものになったようだが、大丈夫。
笑子と睦月、そんでやっぱり紺くんは、それでもやっぱりどっかで好き同士だから、苦しくない距離で、ずっと結びついていけるんだわ。たぶんね。決めつけないのが、愉しい秘訣!
この短編は『江國香織ヴァラエティ』というムック本に収録されていて、
その本にはね、読者とのQ&Aコーナーもあるのだけれど、
「好きなタイプは」って質問で、
好きなタイプは分からないな。そのときに好きな人が、一番好き。
って答えてるの。
そりゃそうだわ。正直でいいよね。
江國さんの、こういう、正直で、追いつめないし追いつめられない感じが、好き。
人生の転換期に読んでいたというのもあって、大事な一冊。
わたしも紺くんと睦月の子どもがほしい。
って思ってた少女時代。わたしは女の人が好きで?笑子さんは男の人が好きだけど?
わたしが笑子さんなら、もっと睦月と愛し合って暮らしていたのに?って思う。
このコメントは30代になったわたしの追記。
不機嫌になったわたしに「好きなものを何個でも」ってケーキ屋さんに連れてって、
いじいじしているわたしに、箱を持たせて、「甘いものを食べて、ゆっくり休んで」って云ってくれるの。
そういう振る舞いは好きなのに。そういう振る舞いをする、その人は好きなのに。
