彼はわたしと二人きりで
無人島で暮そうと言うのです。
貝を掘ったり、バナナをもいで食べ、波の音で踊ればよいと言うのです。
さそりか毒蛇に噛まれて
一人が死んでしまったら
もう一人はどうすればいいの、と言うと、
同じようにさそりか毒蛇に噛ませればよい、と言うのです。
それもよい、と考えています。
だから二人は木切れを集めて
ボートをつくっています。
無人島に流れついたら、
わたしたちはボートに火をかけて燃やしてしまうつもりです。
大庭みな子 「無人島の夢」
さそりか毒蛇に噛まれて一人が死んでしまったら?
もう一人も、同じようにさそりか毒蛇に噛まれてしまえばよいとは思わない?
それもよい、とは考えてくれない?
開放的で、閉じた世界で、苦しくない二人でいたいの。
大好き。
