河野多惠子 『半所有者』
を読んだ。
まず、非常に美しい装丁に、心惹かれる。
2001年に新潮社から発行されたハードカバーなのだけれど、随所に趣向が凝らされている高級感のあるデザイン。
装画は、中堀慎治さん。
この豪華で品の良い装丁は、つまりそういう世界観を共有してほしいということを指している。
そういう世界観、というのは、耽美的で、背徳的な、美しさ。
装丁の世界観と物語の世界観が見事に融合していて、逃げられない。
タイトルが秀逸。
<嬉しがっているのか ― 厭がっているのか>
そんなの、もう、所有者にゆだねられてしまうではないの。
アートだよ、とあなたはいう。
わたしじゃあ、あなたのアートにはなれないんだわ。 だから、外側から、あなたを見ることができるのです。

