ヒーロー不在の飯事-201108031311000.jpg


吉行淳之介 『砂の上の植物群』


を読んだ。


まず、タイトルが秀逸だね。


吉行の小説の男性はほんとうによくもてるよねえ。

関係を結ぶのが、なぜこうもたやすいのか。 余裕があって、しゃれてるからかねえ。


性的頽廃とは、なんだろうねえ。

わたしは、性、セクシュアリティってのは、他者との関係性の概念だと思っていて、

身体を通じて、人格を理解する、のだと考えると、

その人としか築くことができない関係ってのは、どんな見え方をしても烙印を押すことなんてできないと思うねえ。

正常も異常も、ありはしない。


性的頽廃ねえ、甘い響きがあるから、そそられる表現ではあるけれどねえ。


結末に、ひとつの禁忌が思い違いであったことが明らかになるんだけれど、

主人公・伊木は、それを知って気持ちが冷めていくのだよねえ。

愉しむ、心持が重要なのよね。


吉行の小説の男性は、性的関係を通じてしかほとんど相手を知ろうとはしないのだけれど、

そのことについての敬意の払い方が素敵よねえ。 品があるから、こまる。















せっかく嘘を吐いてくれたんだから、騙されておけば、よかった。

すき、って云っても響かないあの人に、罪悪感でもって、ずっと関係を築いてほしかった。