2021年度 甲南中(Ⅰ期午後)
大問1:アントン・チェーホフ『牡蠣』
訳者は別ですが、ここから読めます!
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 かき УСТРИЦЫ (aozora.gr.jp)
午前の入試ではミュージシャンの自作解説、一転して、午後の入試ではチェーホフ。文章の傾向に一貫性がないのが、甲南の入試です。この文章は、小学生にも十分読めるものなので、一安心です。
問題は、設問ごとの難度の差がくっきりしているので、どこまで取り切れるかドキドキします。甲南の受験生が、問五や問六のような、「ああ、この子、こういうのわかるかなあ……厳しいなあ…」というような問題を、思いがけず正解してくれたとき、本当に、そのひとつの正解が、宝物のようにうれしかったものです。問八のような、少し根気のいる抜き出しを、見つけてきたときも、よくがんばったなあと、本当に心からねぎらいたくなったものです。絶対読んでないのに、いつも一生懸命、記述をうめたりしてくる子のけなげさには、涙がこぼれそうになります。甲南の国語は、そういう何かなのです。
問一 漢字 書ける
問二 副詞 できる
問三 こういう記述を、本当に「わかって」書かせるなら、ヒントや誘導をつけるべき。わからないから空欄にせず、とにかく近くの文章を一生懸命うつした子が勝ちっ!
問四 この記述もそう。
問五 選べる。
問六 選べる。
問七 食べっ( 二字 ) 答え ぷり
問八 探せる
問九 文学史。午前入試は日本の作品だったが、午後は海外だ。ドストエフスキー『罪と罰』を選ばせたりしてます。何なんでしょうね。
大問2:岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』
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そして、大問2はなんと自己啓発! しかもアドラー系の! 帝泉の大問2の筆者に対して、「ほめることは、自分よりも能力のない相手を操作する」という含みがあるから「不愉快」だと、批判しています。「ほめるな」、「しかるな」という話です。
――その「よくできましたね」という言葉に含まれる、上から見下すようなニュアンスが不愉快なんですよ。
何事もケースバイケースなので、特定のケースにおいて、その件で悩んでいる人には、救いになるのでしょう。身の回りに味方がいない人にも、本はこっそり寄り添ってくれます。自己啓発は、みんなで声をそろえて読解するものではなく、こっそりひとりで読むジャンルです。
問一 外来語
問二 選べる。
問三 語句。
問四 語句。
問五 抜き出し。