ビクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』読書メモ⑰
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 レ・ミゼラブル LES MISERABLES 第三部 マリユス (aozora.gr.jp)
第二編 大市民
ジルノルマン氏の二番目の妻の娘と、アウステルリッツでテナルディエに救われたポンメルシーとの間にできた子が、マリウス・ポンメルシー。そのマリウスを登場させるために、祖父の強健さから語り始めるあたりが、ビクトル・ユーゴー。映画では、すべてカットされている部分。
一 九十歳と三十二枚の歯
九十歳を越えた十八世紀式の市民であるジルノルマン氏について。
二 この主人にしてこの住居蟻
ジルノルマン氏の住宅と服装など。
三 リュク・エスプリ
若き日のジルノルマン氏の恋について。
四 百歳の志願者
百歳まで生きるつもりらしい。
五 バスクとニコレット
遺産について。バスクという名の下男と、ニコレットという名の下女。
六 マニュンとそのふたりの子供
84歳になったとき、六か月前に追い出された下女が、ジルノルマン氏の子だと言って赤ん坊を連れて来た。翌年、さらにもう一人。ジルノルマン氏は、二人の子を母のもとに送り返して、養育費を与える。ジルノルマン氏は、最初の妻との間に娘がおり、二番目の妻との間にも娘がいた。この娘は一兵卒から成りあがった軍人と結婚して、三十歳ばかりで死んだ。この夫のことを、ジルノルマン氏は「家の恥」と呼んでいる。
――彼は絶望すると狂猛になった。彼はあらゆる偏見を持っていて、あらゆるわがままを行なった。
七 規定――晩ならでは訪客を受けず
隠遁したジルノルマン氏は、自分の習慣のみを守った。
八 二個は必ずしも一対をなさず
ジルノルマン氏のふたりの娘について。妹(天使)は亡くなった。エセ君子の姉(鵞鳥)が、今後、物語にかかわって来るそうだ。老嬢は、ジルノルマン氏の世話をしている。この家には小さな男の子がいる。ようやく本題に入った!