The New Babylon(第四幕:後半)

 

洗濯婦は顔を上げる。(市民サイド)

 

支配人は、何かを予感するように遠くを見つめる。(ブルジョワサイド)

 

――ドラムロールが鳴り響く。さあ、民衆よ立ち上がれ!

 

洗濯婦が、手に持った布をぶんぶん振り回し始める。

 

水が周囲に勢いよく飛び散る。

 

 女優が歌う。「みんな愛を探してる」

 

支配人は、「なんということだ! このオペレッタは失敗だ!」と叫ぶ。

 

洗濯婦は、ドラムに合わせて、太鼓のバチのように洗濯物を振り回す。

 

――野営地ではジャーナリストさんが、「市庁舎へ!」と叫ぶ(臨時政府の退陣を要求すべく、パリ庁舎へ乗り込むのだ!)

 

代議士さんは「ヴェルサイユへ! まずはそれからだ!」(政府&ブルジョワはパリを棄ててヴェルサイユへ退却した)。

 

支配人が走り出し、代議士も続く。指揮官は言う「兵士たち! ヴェルサイユを守り抜け!」。

 

ルイーズは、自警団のメンバー(靴屋)に「どうして兵士たちを止めないの!?」と詰め寄るが、彼もまた市庁舎へと去って行く。

 

「市庁舎へ!」「ヴェルサイユへ!」

 

――ヴェルサイユへの行軍の途中。ルイーズは兵士たちの中にジャンの姿を見つける。

 

立ち止まるジャン、歩み寄るルイーズ。「行かないで!」。

 

進軍のラッパが鳴り響く。

 

「行かないで!」と再び懇願する。見つめ合う二人。

 

熱いキス。ルイーズは目を見開くルイーズ。

 

ジャンは行ってしまう。取り残されたルイーズは叫ぶ。そして一人になった。