豊中校担当の杉谷です。
GWが過ぎ去り(と言っても、私はほぼいつもどおりでしたが…)、さらには豊中校の小学部説明会が終わり、少しホッとするのも束の間、昨日からは各学校の私たち塾の先生向けの説明会がスタート。朝から夜までの日々のはじまりです。まさに、おはようからおやすみまで暮らしを見つめるLION状態であります
ですが、年々若返りを目指しておりますので、今年もハード日程をクリアしていきたいと思っております
そして、各学校を訪問した履歴はこちらのブログにも残していこうと思っております
ただ、また今月末、そして来月初めに中学入試について直接お話する機会があるとのことですので、お越しになられた方用のネタも用意しておかないといけませんので、こちらには少しだけとさせていただきますもし、もっと聞いてみたい!!…なんて思ったら、ぜひお越しください
なお、豊中校にお通いいただければ、私としょっちゅう会えますし、そうでなくてもお声がけいただければ、他校でも参上しますので、ぜひ各校にご連絡ください
さて、私の状況はさておき、本題です。
今回は「2023年度公立高校入試の問題を実際に解いてみた!」シリーズの【兵庫県・数学編】です。
最近、ブログの更新も長いGWだったのですが、その要因のひとつがこのシリーズを先に終わらせないと…ということでした。ブログネタはいくらでもありますし、今後、各学校へおうかがいするので、さらにネタは増えるのですが、ネタの新鮮さ、賞味期限を考慮すると、このシリーズを先に終わらせないといけないと勝手に思っておりました。
で、このシリーズは問題解くことも含め、少々準備に時間がかかりますから、更新に関して長めのGWとなってしまっていました…が、残りは次回予定の【兵庫県・理科編】、そして公立高校入試ではありませんが、4月に行われた文科省による「学力調査を解いてみた!」となっております。
この2つが終われば、またいろいろなネタ
で、いろいろな角度から書いていけたらと考えて、おります
ということで、【兵庫県・数学編】へと入っていきます。
大問数は全部で6。例年どおりのボリューム感でありました。多すぎることもなく、時間に慌てる人が多くなる…ということはなさそうな量となっています。
では、大問1から見ていきましょう。
計算など比較的易しめの問題となっています。数学が苦手だという子もここはおさえておきたいところです。
ポイントは最後の統計からの出題。兵庫県は出題する頻度の高い分野ですが、ここは表の見方のルールさえわかっていれば結構アッサリできます。
が、例年正答率は高くありません。要は、ここまで手の回らない子がそれ相当数いるということになります。
他の分野を確実に…の気持ちもわかりますが、統計は準備しておけば確実に答えられるところです。数学が苦手な子ほどやっておく必要のあるところです。
次に大問2です。
点の移動と関数の問題です。
点の移動の条件が少々ですが複雑ですので、読みとる力も求められます。
条件のとおりに動いたときの点と点が描く三角形の面積の変化がどうなるかを考え、グラフを選びます。
ポイントは最後の問題。
上記のとおり、グラフの途中はかいてくれていますが、初めの部分が抜けています。
このはじめの部分こそが前問で選んだもので、その部分を組み合わせて考える必要があります。そこまで発想が行き届くかどうか?発想できれば、まったく演習したことない問題ではないでしょうから、上位層はできていることが必須となります。
一方で、それ以外の層の子にとっては歯が立たなかった可能性もあります。
つづいて大問3です。
図形の証明が目立つ問題ですが、兵庫県では例年証明はこのように記号での解答となります。入試の制度上、オール記述の問題作成が難しいようで、入試制度が変わらなければ、今後も証明はこのような形での出題となるでしょう。
ただ、内容としてはきっとオール記述でも答えられないと確信を持った解答はしにくく、オール記述でできない子には少々サイコロ的な問題だったかと思います。証明はまず、何をやっているかからよく考えてみましょう。
ポイントはやはり最後の問題。
今回の問題全体の中でも1、2を争う難易度のように思いました。
ただ、灘学習院の思考(算数)の授業でよく出てくる考え方(面積比)を用いれば解くことができます。中学生的に定理などにとらわれすぎるとかなり苦戦を強いられたのでは?…と思いました。
つづいて大問4です。
関数の問題ですが、今年は結構シンプルな印象です。最後の問題では、図の中に円描く必要がありますが、正しくイメージできたかどうかが上位層の勝負の分かれ目だったのかもしれません。
上位層など関係なく、全体としても(3)まではできておきたいところです。
つづいて大問5です。
場合の数、確率の問題です。ここも出題可能性の高い分野となっています。
(2)まではルールがわかっているかの確認で、ぜひとも正解しておきたいところですが、(3)で結果から推測するような問題へとなっており、難易度が上がっていますが、サイコロの出た目をボールを入れる数に置き換えて考えればそこまで難しくはありません。上位層は正解しておきたい問題です。
最後に大問6です。
最後は文章の長く、会話が含まれた共通テスト風の問題です。兵庫県はかなり共通テストの影響を受けるので、今年度の問題や2024年からの新課程に向けた試行問題が発表されていますので、そちらも目をとおしておいた方がいいでしょう。
ただ、この問題の場合は、文字を用いた式の説明による出題ですので、基本としては定期テストで出てきたことを使えれば問題ありません。ただし、その基本が使えるかどうかは大きな分かれ目です。定期テストを解き方の暗記で乗り越えた子には答えられなかった子も多かったのではと思われます。
以上、すべてを見てみました。兵庫県の特徴としては、
○共通テストの影響を受けている(ただし、数学はそこまでではない)
○算数で解けるものが多い(中学生っぽい三平方の定理や円周角の定理などは例年少なめ)
です。
問題の条件を理解し、基本を使えるかどうかを試されている印象です。決して難問ではないが、ナメてかかると痛い目にあう。そんな感じかと思います。
以上、【兵庫県・数学編】でした。
次回は【兵庫県・理科編】をお届けいたします。受験生に少しでも参考になればと思います。