傘がない

作詞作曲:井上陽水



都会では自殺する若者が増えている

今朝きた新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨

傘がない


行かなくちゃ

君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ

雨に濡れ


冷たい雨が今日は心にしみる
君のこと以外は考えられなくなる
それはいいことだろう


テレビでは我が国の将来の問題を
誰かが深刻な顔をしてしゃべってる
だけども問題は今日の雨

傘がない


行かなくちゃ

君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ

雨に濡れ


冷たい雨が僕の目の中に降る
君のこと以外は何も見えなくなる
それはいいことだろう


行かなくちゃ

君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ

雨に濡れ


行かなくちゃ

君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ

雨の中を


行かなくちゃ

君に逢いに行かなくちゃ

雨に濡れて行かなくちゃ

傘がない



【補足】

井上陽水さんの初期の名曲です。

この曲が作られたのは学生運動の真っ只中でしたが、リリースされたのは学生運動が下火になった1972年のことでした。


社会の慌ただしい動きよりも、今自分には傘がないことの方が重要であるという歌詞。

「傘がない」の「ない」には、「個人が持っていない」のではなく「みんなにとっての傘がない、物質的な意味以上にない」ということを表現している気がすると、本人もうまく説明ができず苦笑いしている場面がありました。


いろんな考察ができる歌だとおもわれます。



傘がない/井上陽水



カバー画像:PHOTO AC