学校の都合で早く帰ってきたある日、我が家のチャイムが鳴ったので出てみるとAくんが。


『あーにゃんと遊ぶ約束をしたので来ました~』


うん。

あーにゃんとはわだかまりがないのね、と紫は思った。

子供同士、よくあることだとも思う。


そして二人は仲良く遊んでいた。


しばらく遊んでいた時、あーにゃんの爆弾発言が耳に届き紫は驚いた。


『ねえ、なんであの時あんな事を言ったの?』



あ、あ、あ、あーにゃんさん?直で言う?



するとAくんは


『だって、誤魔化そうとしたら先生が騒ぎ出すから…』



言うんか~い!

でもやっぱそうか~い!


『女の子ちゃんは?やっぱりちょっと苦手?』


『…うん…ちょっと苦手…』


そっか~…と遠くで聞き耳を立てる紫。

少しして、あーにゃんをそっと呼び出した。


そして大事なことを伝える。


『あーにゃん、あの時の話はもう聞いてあげるな。

で、Aくんが女の子ちゃんの事をどう思っているのか、女の子ちゃんや他の子には絶対に言ったらダメ。

内緒だから言っちゃダメだよって言って言うのもダメ。


人の口から出た言葉は戻らないからね。

言った言わないになるから、絶対に言わないこと。』



あーにゃんは真剣な顔をして判ったと頷くと、再びAくんと遊び始めたが、その後あの時の話はしなくなった。


賢いぞ、あーにゃん。


今後も色々あるけど、頑張って乗り越えていけ!