『ヒメアノ~ル(2016)』
監督/脚本 吉田恵輔
原作 古谷実
製作 由里敬三
藤岡修
■キャスト
森田剛…森田正一
濱田岳…岡田進
佐津川愛美…阿部ユカ
ムロツヨシ…安藤勇次
■あらすじ
普通の生活に焦燥感を抱くビル清掃会社のパートタイマー岡田(濱田岳)は、同僚からカフェの店員ユカ(佐津川愛美)との恋の橋渡し役を頼まれる。彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会。ユカから森田につけ狙われ、ストーキングに悩まされていると相談された岡田は、森田がかつていじめられていたことを思い出し、不安になるが……。
■感想
森田剛が殺人鬼っていう前知識しかないまま観に行ったら、
とんでもなくR15で帰りの夜道は怖くて仕方ありませんでした。
観終わったあとはぽかーんです。
もう森田剛が殺人鬼にしか見えないくらい、圧巻の演技でした。
ただ好き嫌いがとても分かれる作品だと思うし、
友達に勧めるかっていうと、好んでお勧めしない映画です。
ここからネタバレ含みます。
前半のムロツヨシには2回ほど笑わせてもらいました。
後半の入院シーンの安藤にも痺れました!
最近わたしの中でジワジワきてます♡
最近わたしの中でジワジワきてます♡
今回とくに印象的だったのが、森田の躊躇なく人を殺していくシーンです。
世田谷一家殺害事件だったり、ストーカー殺人だったり、
実際にあった事件を想起させつつ物語が進行していきます。
前半は岡田とユカの出会いなのにちょいちょい森田が登場するだけど不穏な気持ちになる。
それは感情の読み取れない表情だったり、バレる嘘を何度もついたり、「なんかこいつヤバい」感がすごい出ているんです。
中盤からBGMとタイトルバックが映し出されてからガラリと雰囲気が変わります。
そこから森田無双です。
そこから森田無双です。

実際に世の中には惨殺な事件が起こっているわけで、本当にこんなやばい人いたらどうしようと観てると思ってくるんです。
映画だとわかっているけど現実には毎日のように殺人事件が報道されるので、あながちフィクションではないと思えてくるのです。
鑑賞してからだいぶ経ったけどあのときの「すごいもの見ちゃった」感が未だに消えない。去年の作品でいうならば「セッション」のようなインパクトです。
ラストの人は轢き殺せるけど幼いときに飼っていた犬はなぜか殺せず、そこから回想が混じります。麦茶からの森田の笑顔はいろんな意味で救われました。森田が初めて見せた唯一の人間味のあるシーンでもあり、とても切なくなるシーンでもあります。
繰り返し流れた過去のイジメのシーン、殺せば殺すほどに聴こえてくる幻聴、なにもかも諦めた虚無感…冒頭から暴かれる「森田」という人物についてすべてがつながり、
彼の心はすでに壊れていたんだな。
と、ストンと観る側に着地させてくれたような気がします。
もう一度観たいかといわれたらグロいし痛いし観たくないけど、観終わったあとに圧倒されるし考えさせられる映画だと思います。


